ボーナス,貯め方,備え方
(写真=PIXTA)

今年もボーナスシーズンが近づいてきている。楽しみにしている方が多いと思うが、「なぜだか、すぐに無くなって残らない」と、頭を抱えてしまっている方もいるのではないだろうか。

先日、筆者も30代の共働き夫婦から、住宅購入を希望しているが、教育資金の準備にも手が回らないとの悩みについて相談を受けた。毎年ボーナスが「右から左へ」と消えてしまうそうで、今年の冬のボーナスからこそは、そのような状況から脱出したいとの希望だった。

今回はこの相談者に提示したアドバイスを通し「冬のボーナス」との有効な付き合い方をお伝えしていこう。

【相談者のプロフィール】

  • 夫35歳、妻35歳、子ども4歳、第2子も希望
  • 共働き
  • 世帯年収600万円
  • 貯蓄150万円
  • 住宅購入希望している

1. 今ないお金で買い物はしない クレジットカードとの付き合い方

今回の相談者の日々のストレス解消法は、妻はショッピング、夫はパチンコやタバコだった。

妻のショッピングの支払いはもっぱらクレジットカードでボーナス払いを使い、後払いである。後の支払い時に苦しくなることが分かっているにも関わらず、「ついつい、ちょこちょこ」とその場しのぎのストレス解消をしてしまうとのことだった。夫婦でキャッシングでの借金もあったため、日々の返済も悩みの種だった。

まずは、このクレジットカードとの付き合い方を変えない限りは、住宅の頭金を貯めることや、教育資金準備をスタートさせることも難しいのが現実だった。

少し苦痛を伴うが、今回の相談者にはボーナスを活用した後払いは今後、使わないことを提案した。「ちょこちょこ」と買い物をしていたことでセール以外での時期にも欲望に任せてショッピングを楽しんでいたため割高な買い物もしていたようだった。

これは筆者自身が実行している買い物方法だが、毎月2万円、夏冬バーゲン用積み立てをし、価格の下がった時期に一度に買い物をするということを楽しんでいる。相談者には、「ちょこちょこ買い物」より一度にまとまった買い物をして、たくさんの買い物袋を提げることでの楽しみ方を伝えた。

日々の生活資金は毎月の給与で賄うのが鉄則だ。後日の支払にしてしまうと、時には、無理な買い物を繰り返す自分を支払い時に責めてしまうこともあるだろう。せっかくのストレス解消のショッピングを後の新たなストレスにしないためにも、クレジットカードのボーナス払いはやめておくことをお勧めする。

2. 教育資金準備は最優先で

毎月の給与から教育資金のための積立金を捻出できるのが理想だが、ボーナスを利用するのも一つの手だ。

相談者は子どもの教育資金準備ができない悩みを持っていたが、この件に関する答えは簡単だ。何はさておき、子どもが大学進学予定時期に向けて200万円なり300万円なりの金額を目標に準備をスタートするべきである。

なぜ最優先かというと、子どもが高校卒業時等の一定の時期が来ると、子どもが大学等進学を希望する場合、必ずお金の問題と直面するからだ。すべての進学費用を親が負担しなければいけないというものではないが、スムーズに次の進路に子どもが進むためにも、最低、初年度費用分くらいは準備をしておきたい。

参考までに、文科省の平成26年度学生納付金調査によると、国立大学の初年度納付金(入学料、授業料、施設設備費合計)は約82万円、私立大文系は約115万円、私立大理系は約150万円である。これらの金額を、毎月の貯蓄と合わせてボーナス活用し、しっかりと貯めておきたい。

3. 住宅ローン返済でボーナス払いは活用しない

今回の相談者は将来、住宅購入も希望しているので以下のアドバイスを行った。まずは住宅ローンについてボーナスを使わないことのメリットを伝えた。

住宅ローンについては、ボーナス払いを併用して毎月の支払軽減をすべきかと悩みどころではあるが、可能であればボーナスを期待した返済計画は立てないことを、お勧めした。

一番の理由は、ボーナスは会社の業績が悪い場合には期待通り支払われないこともありうるからだ。さらにボーナス併用のデメリットを言っておくと、住宅ローンは同じ金利、借入期間等の要件が同じ時、ボーナス併用とボーナス併用なしの総返済額を比較するとボーナス併用が多くなる。

一方、ボーナスを使うことでメリットはある。ボーナスを活用し頭金を増やす、さらには購入後の繰り上げ返済を行うことは、「ヘタな」運用をするよりも優先していただきたいということだ。これらの実行は10万円単位で「確実」に金利負担額を圧縮させる効果がある。

4. 手取り収入の2割積立投資

筆者は、年間手取り収入額から、老後の生活資金のために2割の積立投資を実行することを推奨している。前述の教育資金のための積立金と、この2割が確保できれば、残った資金は自由に使って良いお金と考えてよい。今回の相談者の場合も、残る資金額が確認出来れば、使ってよい金額が分かり無茶な買い物にも歯止めをかけられることが期待できるだろう。

毎月の給与から積立金が捻出できない場合には、ボーナスでカバーしても良い。この2割積立手段としては、投資信託等を活用した国際分散投資により収益性も期待しながら、今後の物価上昇リスクにも備える資産防衛策を選択肢に入れることをお勧めする。

以上、今年の冬のボーナスを有効活用していただきたい気持ちを込め、ボーナスの使い方をまとめてみた。結論は、ボーナスを「すぐに無くさない」ためには、ボーナスを期待しない資金計画が大切ということだ。

今回の相談者も相談後の新規のショッピングは我慢してくれている。今年は「右から左へ」とはならなさそうで安心している。

寺野裕子 てらの・ファイナンシャルプランニングオフィス代表   CFP ・1級FP技能士、投資助言業
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料等は一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。 FP Cafe 登録FP。

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