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(写真=PIXTA)

「投資なんてギャンブル」だという人にとっては、多少の失敗は最初から織り込み済みかもしれません。逆に、長期的に安定した運用を第一に、ローリターンながら堅実な投資を心がけている人もいるかもしれません。そのような人なら慎重の上にも慎重を重ねて、失敗はできるだけ遠ざけておきたいと考えているでしょう。

とはいえ、投資である以上、元本が目減りしてしまう可能性があるのは当たり前のことです。「失敗は成功の母」ともいいます。ありがちな失敗例を学ぶことによって、自分の資産運用の糧にしていきましょう。

「潰れない企業」=「株価も安定」ではない

● ケース1(ある週刊誌から) 営業マンに勧められるままに購入した株が下落
定年退職後、証券会社の営業マンに「預金だと金利は1%にもならない」と言われ、勧められるまま株式投資を始めました。大手企業のため安全な株だと思い、東京電力と東武鉄道の2銘柄を買ったところ、2社ともその後株価は大きく下落、2,000万円を失ったといいます。

● ケース2(あるブログから) 経営再建が進まず上場廃止
「国策会社だから倒産するはずがない」と日本航空株に投資しました。経営再建が進まず株価が下がり続けていた時も逆に買い続け、結果、上場廃止で株券が紙くずになってしまいました。

「成功体験」がその後のワナに

● ケース3(あるサイトから) 投資対象を次々と変えて失敗
元金融機関勤務のOL。株式の短期売買で一時は利益を出したものの、雲行きが怪しくなり、株式信用取引やFXに次々乗り換えて全財産300万円を失ってしまいました。諦めきれずに借金を重ねて日経225の先物取引を行い、最終的に1,000万円の損失を出したとのことです。

● ケース4(あるサイトから) ITバブルで売り切れず買値から半値に
ITバブル時、購入したゲームメーカーの株が買値の3倍まで上昇。しかし、その後下落し始めても「また上がるだろう」と保有し続け、最終的に損切りした時には株価は買値の半分になっていました。

のめりこんだら抜けられない!

● ケース5(ある新聞から) レバレッジをかけすぎリーマン・ショックで5分の1に
2004年頃、少ない元手で大きな勝負ができるFXのレバレッジに魅力を感じ投資を開始しました。当時は上限規制がなかったので、100倍の高倍率で取引していましたが、リーマン・ショックの直撃で100万円ほどの資金が一気に5分の1になってしまいました。

● ケース6(あるサイトから) デイトレードで失敗 借金してまで投資したが……
10万円を元手にデイトレードを始め、だんだんのめり込んで取引金額が上昇していきました。2006年初めから2007年夏までの株取引で約200万円のマイナスに。それでも諦めきれずFXを始め手持ち資金を使い果たし、借金をすることになりました。

投資は必ず余裕資金で

堅実な生活設計のために投資を行うのであれば、忘れてはならないのが「投資は余裕資金の範囲内で」ということです。仮に負けても、生活やその後の人生設計が破綻しない範囲に留めましょう。

投資には一般的に、多数の敗者(資産を減らす人)と少数の勝者(資産を増やす人)が存在します。一般の個人投資家と、プロ(投資を生業とする専業トレーダーや金融機関のトレーダー、ヘッジファンド担当者など)との間には、専門知識や情報をいち早く掴む力に雲泥の差があります。

何が起きるかわからない世界ですから、一攫千金の可能性もないわけではありませんが、確固たるロジックがない投資はプロたちには勝てない可能性が高いでしょう。一般投資家は、分散投資、長期投資などの基本を守り、決して危ない道に踏み出さないことこそが成功の第一条件といえます。 (提供: IFAオンライン

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