投資信託にはさまざまな種類があり、株を利用したものから債券を利用したもの、REITを使ったものもある。それぞれに特徴があり、同様にリスクも存在する。一般的に、投資信託は何かの指標や指数(これをベンチマークという)に即したポートフォリオを形成していることが多く、ボラティリティが高いものほどリターンが高くリスクも高い。
投資家にとって投資信託は手頃であるが内容が多岐にわたるため理解がしづらい面がある。そういった側面をリターンとリスクから解説する。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から集めた資金を、運用の専門家がある一定のポートフォリオを形成して代わりに運用し、その成果を投資家に分配する商品であり、その商品ごとに構成する銘柄から背負うリスクも異なる。
これらの商品はいくつかのカテゴリーで形成されており「外国為替かどうか」「株式が組み込まれているかどうか」「債券が組み込まれているかどうか」「REITが入っているかどうか」「オプション取引が組まれているか」「ポートフォリオの分散はどうか」などがある。
一般的にはこの中でも数種類の通貨を組み合わせることや、債券と株を同時に組み込んでいる物が多い。実際にはこれらを自分で選ぶのは困難なため、受託会社に資金を預けて運用を任せるということがある。
リスクは分散して下げることができる
投資信託のメリットの一つに、分散投資がある。これは個人のポートフォリオでも可能であるが、大変な苦労を要する。
分散投資をすることで、リスクの低減ができる。広い銘柄でチャンスを創出することで、同時にリスクを減らすことができるのだ。
投資信託リスク1:価格変動リスク
価格変動リスクは投資商品自体につきものであるが、必ずと言っていいほど投資信託の構成の中でメインとなる銘柄があり、投資信託の多くはその銘柄の価格変動が運用成績を決める一番の要因となっている。
単一の株を購入するよりも勿論リスク自体は減じられているものの、そもそも株価主体の投資信託であれば、株価の下落時でも収益を上げることは難しい。
投資信託リスク2:為替変動リスク
為替変動は、外国の投資銘柄を組み込んでいる投資信託にはほとんど関係している。
また外国株などを組み入れた際は、株価の変動がなくとも為替変動によって損益が発生する場合考えられる。投資信託の中でも、為替ヘッジをすることで為替リスクを減らすポートフォリオの商品もある。
投資信託リスク3:信用リスク
投資信託は、解約時に自分の好きなタイミングを選ぶことができる。しかしながら他者に投資を委託している以上、他者の信用部分についてリスクが存在する。受託会社が変更となる場合や、販売会社によっても取り扱い内容が変更となってしまう場合は、自便が思うようなタイミングでの売却は難しく、結果としてそれが損につながることも否定できない。
しかしこれらはかなり稀な例であり、実際にそういったリスクが発生する可能性は低い。投資信託を始める際は、大きめの会社を選ぶことも重要である。
投資信託リスク4:金利変動リスク
投資信託で外国の銘柄や通貨・債券を利用している場合、他国と自国との金利差に注目しなければならない。多くの国が、日本よりも金利が高い状態にあるため、外国通貨を持つことによる金利差が受け取れる。しかし自国通貨よりも低い金利の銘柄がポートフォリオに入っているのであれば、リスクとなる可能性が現れる。
一概に金利がリスクとはなりにくいが、常に変動するものでもあるので、注意が必要である。また金利はREIT価格にも影響することがあり、相関性が重要だ。
投資信託は多くの種類があり、これまでに挙げたようなリスクを少なからず背負うこととなる。しかし自国の預貯金では資金が増えなくなっていることも事実であり、自身の資産にもポートフォリオの変化が必要である。
過度のリスクを背負うことになれば、その投資は失敗に繋がりやすくなる。また構成する銘柄が多すぎることにも注意したい。その上で多彩な投資を簡単な窓口としているのが投資信託なのだ。