生命保険,標準利率,保険料値上げ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「生保8社の4〜9月、運用益が半減」11月25日付の日本経済新聞・電子版で、そんな記事が掲載されていました。2016年4〜9月期の決算で、保険会社の主要8グループがマイナス金利の影響を受け、運用益が大幅に低下したというものです。

保険会社の運用益低下は、とりもなおさず、保険商品にも影響がでていることを意味します。それは私たち消費者にも無関係ではありません。では、具体的にどのような影響がでているのでしょうか。

今回は、2017年「保険商品の選び方」をテーマにお届けしましょう。

保険会社にとって「重荷となる保険」とは?

さて、保険に加入すると保険会社に「保険料」を支払いますね。この保険料は「付加保険料」と「純保険料」に分けられます。

「付加保険料」とは、保険会社を運営するコストです。また、「純保険料」は、私たちが将来受け取る保険金の財源となります。

「純保険料」に積み立てられたお金は、責任準備金として安全に運用されています。

責任準備金の運用の多くは、日本国債に資金を振り分けていたのですが、マイナス金利によって、安定した利回りを確保するのが難しくなりました。その結果、「貯蓄性のある保険」は、保険会社にとって大きな重荷となりつつあるのです。

2016年は「貯蓄性のある保険」に大きな変化

「貯蓄性のある保険」とは、終身保険、学資保険、養老保険、個人年金保険など解約返戻金がある商品です。

2016年はマイナス金利の影響で養老保険、個人年金保険などの「保険料の値上げ」や「保険商品の売り止め」が相次ぎました。

一方で、新商品もたくさん登場しました。その多くは外貨建ての商品、つまり外貨建ての個人年金保険、外貨建ての終身保険などです。

保険会社としては、魅力的な円建ての保険商品をつくることは難しい……と判断したのでしょう。その結果、必然的に外貨建ての商品が増えたわけです。

FPアンケート調査「お勧めできない保険商品」とは?

私が監修している『よい保険・悪い保険』(別冊宝島)というムック本があります。ファイナンシャルプランナーのアンケート調査をもとに「お勧めできる保険商品」「お勧めできない保険商品」が一目でわかるランキング本で、毎年12月に発売しています。

今回のアンケート結果で注目すべきは、個人年金保険のワースト2位が「『円建て商品』すべて」となった点です。昨年までは、円建て商品が上位を占めていましたので、文字通り一変したという感じですね(もちろん頑張っている円建ての商品もあるのですが…)。

同じように貯蓄性のある終身保険も、保険料の値上げなどで大きく順位が入れ替わっています。

保険会社が「売りたくない保険商品」

もう一つ、今回の調査で注目されるのが「学資保険」です。学資保険の順位にはそれほど変化が見られないのですが、販売チャネルが大きく変わりました。

学資保険は、通販やインターネット、訪問型の代理店などで簡単に申し込める商品が多かったのですが、最近では「保険の営業員からしか申し込めない」商品が増えているのです。

もともと学資保険は「ドアノック商品」とも呼ばれ、契約者にとって最も入りやすい商品でした。保険を営業する人にとっても、学資保険は「売りやすい商品」で、まず学資保険の契約をとったうえで、他の商品を勧めるのが営業スタイルの典型ともされていました。そのため、学資保険自体の手数料は低めになっています。

ところが、マイナス金利の影響で「学資保険は利益が出ない商品」になってしまい、いまでは「あまり売りたくない商品」に変化したのです。

ただ、営業ツールとしては有効な商品なので止めてしまうわけにもいきません。そこで「保険の営業員からしか申し込めない」学資保険が増えているのです。