金融庁の「標準利率」改定の影響は?

ところで、2017年4月には金融庁が定める「標準利率」の改定が予定されています。標準利率は、生命保険会社が「予定利率」を決める際の指標となります。

「予定利率」とは私たちが支払う保険料の一部を運用して見込まれる利回りのことです。予定利率が高ければ保険料は安く、低くなれば保険料は高くなります。

問題は「標準利率」の改定ですが、現在の1%から0.25%に引き下げられるとの見方が有力です。つまり、これが実現すると予定利率も低下し、「毎月支払う保険料が値上がりする」ことを意味します。

「標準利率」改定の影響を特に受けるのは、先ほど述べた貯蓄型の保険商品(終身保険、学資保険、養老保険、個人年金保険など)です。ただ、掛け捨て型の保険商品への影響は少ないと思います。

読者のみなさんの中には「保険料が安い今のうちに貯蓄型の保険に入れば良いのでは?」と考える人もいるかもしれませんね。でも、それは必ずしも賢明な判断とは言い切れません。

なぜなら、保険会社の中には標準利率の改定を見込んですでに「保険料の値上げ」や「保険商品の売り止め」に動いているところも多いからです。そもそも、それまでの商品も高い利率とは言えませんでしたので、マイナス金利の影響で状況がさらに悪化すると考えたほうが良さそうです。

保険と貯蓄は分けて考えましょう

標準利率の改定と並んで注目されるのは、2018年に「10年ぶりの標準生命表の改定」があることです。

長寿社会と呼ばれる日本では、平均寿命も年々伸びていますので「標準生命表の改定」は終身型の医療保険などの保険料に影響がでると考えられます。そうなると保険業界にとっては、2年連続で保険料を値上げせざるを得ない「厳しい時代」を迎えることが予測されます。

保険会社だけではありません。私たち消費者にとっても、保険料の値上げは痛いですよね。特にこれから保険を見直そうという人、新たに保険に入ろうという人には切実な問題となります。

そうした中で、私たち消費者は「保険についての考え方」を変えなければなりません。では、具体的にどう変えれば良いのでしょうか。

一つ確実に言えることは「保険が貯蓄にもなる」という考え方は、もはや「昔の話」ということです。

保険と貯蓄は分けて考えなければなりません。それが本来の「保険の考え方」ではないのでしょうか。これから保険を見直す際や、新たに保険を検討する際には「掛け捨ての保険」について検討することをお勧めします。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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