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(写真=PIXTA)

「オタク市場」調査結果(2015年度)が矢野経済研究所から発表され、一人あたりの年間平均消費金額の分野別では、アイドル分野が7万9783円で1位となった。前回調査ではアイドル分野は7万4225円だったので、今年はさらに伸びている。2位がメイド・コスプレ関連サービスの3万7289円、3位がアニメの2万9843円となった。アイドル分野は2位と3位の合わせた金額よりも多くダントツだった。

鉄道ファンの財布のひもはきつくなった?

一昔前は「オタク」という言葉には何やらマイナーなイメージがあったが、最近はそんなイメージはない。海外でも「OTAKU」向けコンテンツ(アニメ、コミックなど)は高い人気があり、経済に与える影響も大きくなっている。「オタク」市場を支える産業も数多く存在し、最近は「クールジャパン戦略」で国を挙げてのコンテンツ産業を振興する動きもみられる。

メイド・コスプレ関連が2位だが、前回は1万3162円で18位だっただけに大躍進だ。市場規模は前年度比 2.7%増の115億円だった。アニメは前回が2万5040円で9位だった。アニメファンが底力を見せたかっこうだ。

4位のアダルトゲームも去年の12位からの上位ランクとなり好評だった。市場規模は前年度比3.1%減の185億円だったが、メーカーの販売戦略が奏功しているのか、縮小幅はゆるやかに見える。

5位の鉄道模型は2位からダウン。金額も4万9721円から2万5891円と約半分近いダウンとなった。市場規模は前年度比3.3%増の95億円だった。話題となっている寝台特急や新幹線をテーマとした商品が好調なだけに市場は拡大したと言える。

プロレスはいまだ人気

6位はミリタリー(トイガン・サバイバルゲーム)市場だが2万4178円で、市場規模は前年度比4.2%増の150億円。伸び率としては安定しているようだ。比較的初心者や女性層を取り込みが拡大してきた感がある。前回5位だったプロレスが7位と若干ランクを落とした。市場規模は前年度比 2.4%増の124億円だった。若年層や女性などの新規のファンの開拓により年間の興行数は増加傾向にあるようだ。

8位のフィギュア市場は2万1799円で市場規模としては同1.3%増の320億円。女性ファン層の拡大やインバウンド需要で市場は拡大したが、低価格商品の拡充で購入点数や購入頻度の低下が見られるとしている。

9位がプラモデル1万9928円。市場規模が同1.9%増の266億円。キャラクターモデルは拡大するもスケールモデル(実在の車両・飛行機・建造物等)は低調。10位がコスプレ衣装で1万8326円となっているが、前回は3位で4万7530円だったので大きくランクダウンしている。前年度比 2.7%増の115億円だったことから、ほかが大きく伸びたための下落かもしれない。

11位が同人誌17,512円で市場規模は前年度比 2.4%増の775億円。ダウンロード販売が引き続き好調に推移しているとしている。12位はドールで17,337円。市場規模は前年度比 0.7%増の135億円。固定ファンが中心で大幅なユーザーの拡大はないが新商品などの発売で市場は微増といったところのようだ。

13位は声優、14位はオンラインゲーム、15位が漫画、16位がアダルトビデオDVDとなっている。17位ボーイズラブ、18位恋愛ゲーム(アダルトゲーム除く)、19位ライトノベル、20位ボーカロイドといった順番になった。

AV 市場規模は前年度比1.6%減の504億円で、市場は縮小傾向にあるようだ。ボーイズラブ市場規模は同3.8%増の220億円、恋愛ゲームは同6.6%増の146億円、最下位のボーカロイドは同2.2%増の92億円であった。

ネットでは違和感を示す声も

以上分野別をそれぞれ見てきたが、「オタク」と認識している人の年間平均消費金額の最も高いのは「アイドル」だった。それから、自分を「オタク」だと思うか、あるいは、人から「オタク」と言われたことはあるかの設問に対しては19.1%の人がそう思うと答えていた。

ただ、一人あたりの年間平均消費金額に対しネット上では違和感を示す声も寄せられている。アイドルオタクの年間消費額が自身や友人の使っている金額に比べて少ないのではとか、アニメ系が細分化されているのではといった声だ。なお矢野経済研修所の各分野の市場定義として、アダルトオタクに関しては、「コンサートチケット、CD・DVD、写真集、関連グッズ、ファンクラブの会費等。ユーザー消費金額」をベースにして算出している。今後は定義の問題と現実の乖離が問われそうである。(ZUU online編集部)