スマホの普及で国際的認識を得た絵文字だが、「絵文字翻訳家」なる新職業が生まれそうだ。

世界初の「絵文字翻訳家」を現在募集しているのは、ロンドンに拠点を置く大手翻訳会社、Today Translationsで、翻訳ソフトでは対応不可能な各言語、国・地域ごとに生じる絵文字のニュアンスの差を正確に言語化できる能力に、新たな需要が見こまれている。

言語化から分析までこなせるプロの絵文字専門家に需要が

ネットをとおしたコミュニケーションに欠かせないツールとなった絵文字。メールは時間に束縛されない、無料、管理しやすいなど便利な反面、電子化された文章が淡々となりがちな欠点がある。些細な文章から誤解が生まれやすく、感情表現の豊富さという点では会話と比べ物にならない。

そこでメールでは伝わりにくい感情を表現する手段として絵文字人気が沸騰し、ネットの世界が様々な絵文字であふれかえるようになった。Today Translationsは、その絵文字を「注目の職業」として、絵文字を言語化する翻訳家を募集している。

同じ絵文字でも、言語や地域によって受けとめ方は異なる。翻訳ソフトはそうした細やかな差を正確に解読するというレベルには達していないという。

ウェブサイト上に掲載されている募集広告によると、絵文字の言語化のほか、絵文字トレンドの開発・利用動向などに関する報告、コンサルティングが可能な実力を持った新たな才能が求められている。

Microsoftやアメリカン・エクスプレスを含む国際大手企業から、ケンブリッジ大学などの名門校までを顧客に持つ一流翻訳会社だけに、応募条件もなかなかのハードルの高さだ。翻訳の国際バカロレア資格あるいは3年以上の翻訳経験に加え、社会科学、言語学、社会人類学、社会学、心理学、コミュニケーション能力のバカロレア資格が優遇される。

デジタル技術の進化により新たな職業が次々に登場するといわれているが、絵文字翻訳家もそうした新世代職業のひとつとなりそうだ。( FinTech online編集部

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