固定資産税に限らず、各種税金の納付通知書や申告書などにおいて、課税標準額という言葉を目にしたことはないだろうか。

今回は、この課税標準額とはなんなのかということを解説すると共に、固定資産税課税標準額にまつわる特例措置等を紹介する。現在固定資産を所有しているという方はもちろん、今後住宅の購入等を考えている方はぜひ参考にしていただきたい。

課税標準額とは

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(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

課税標準額、あるいは課税標準とは、税額を算出する上で基礎となる課税対象を指すものである。税の種類によってこれを求める方法は異なり、かかる税によっては金額で表示するものばかりではない。

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固定資産税と課税標準額の関係

固定資産税においては、次の計算によって固定資産税額が決定される。

課税標準額 × 税率 = 税額

固定資産税の計算に用いられる税率には標準税率(1.4%)が定められており、基本的に固定資産税を課税する市町村(東京都23区内においては都)は税額の計算にこれを採用している。しかし、その自治体の財政困難など、特別な状況によっては多少の変動も考えられる。実際に固定資産税を試算する際などには、対象となる固定資産が所在する自治体へ問い合わせると良いだろう。

固定資産税課税標準額とは

固定資産税の税額計算において扱われる課税標準額を、「固定資産税課税標準額」と呼ぶが、これは対象となる固定資産によって詳細が異なる。

まず固定資産が家屋である場合、固定資産税課税標準額は固定資産税評価額と一致する。固定資産税評価額とは、総務大臣の定める固定資産評価基準に基づいて市町村が決定するもので、固定資産課税台帳や納付通知書、あるいは固定資産評価証明書などによって確認することができる。

だが固定資産が土地である場合、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額は一致しない。これは、土地(特に住宅用地)にかかる固定資産税には特例や負担調整率が設定されているためである。

住宅用地にかかる課税標準額の特例を知る

土地のうち、住宅が建築されている土地やその周辺の土地は住宅用地や非住宅用地と区分し、固定資産税評価の際には一定の割合で評価額を減額することとしている。具体的には、次の通りである。

・小規模住宅用地

住宅の敷地が200平米以下の部分。課税標準額は評価額の1/6となる。

・一般住宅用地

住宅の敷地が200平米を超える部分のうち、家屋の床面積の10倍までの部分。課税標準額は評価額の1/3となる。

なおこの特例は、商業店舗等と併用されている住宅、いわゆる併用住宅に関しても、家屋の床面積に占める住宅部分の割合が1/4以上の場合には認められる。

仮に200平米の敷地面積に対し、床面積100平米の家屋が建てられている場合、住宅部分の床面積が25平米以上であれば小規模住宅用地特例の適用が認められるという計算になる。

これら特例は申請や申告を必要とせず、該当する土地については原則として認められる減額措置であるため、固定資産税課税標準額は固定資産税評価額よりも少なくなるのが一般的だ。

こうした税額軽減措置は、税の負担調整措置の一環として取り入れられているという側面がある。

土地に関する負担調整措置を知る

負担調整措置のひとつに、負担調整率というものがある。

土地の固定資産税評価額は、各市町村によって3年ごとに評価替えが行われており、評価替えに際して評価額及び納税額の急激な上昇が伴う可能性がある。これを避けるため、土地の固定資産課税標準額は、前年度の課税標準額に一定の上昇率を乗じて決定するといった負担調整措置が講じられている。この上昇率を負担調整率と呼ぶ。

負担調整率は、次の式より算出される負担水準が低い土地について適用される。

負担水準 = 前年度課税標準額 ÷ 評価額(又は評価額 × 市街化区域農地特例率(1/3))

端的に、負担水準が高ければ税負担は減り、負担水準が低ければ税負担は増える。よって、負担水準が一定以下の土地に対して、負担調整率や負担調整措置といった対策が講じられるのである。

さらに、実際に固定資産税を求める上では、これら負担調整措置とは別に、税額そのものに適用される特例などを考慮することも大切だ。特に新築の住宅を購入する際は、長期優良住宅の認定を受けているか否かによって減額措置の適用年数などが大きく変わる。

土地の固定資産税は評価額でなく課税標準額を見る

住宅購入前などに、固定資産税を試算して「こんなにかかるものなのか」と驚く人がいる。土地の固定資産税には負担措置が講じられているため、驚くほど高額な固定資産税がかかることは基本的になく、それは大体の場合評価額を元に計算してしまっていることが原因だ。

また、試算した結果もしも現在納付している固定資産税額が明らかに高額であると判断できる場合などは、これを市町村へ申し立てることができる。まずは課税台帳の縦覧を申請するなど、速やかにアクションを起こすと良いだろう。

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