手数料の点などでこれまでスタートアップにおされ気味だった銀行に、強力なパートナーが現れた。
マスターカードとも提携しているデンマークのスタートアップ、Cardlayが開発した銀行向けカード発行・管理プラットフォームを採用することで、銀行は法人顧客にオンデマンド型カード管理ツールを提供することが可能になるほか、処理コストを半減できる。
ブランド力や規模を超えた顧客サービスの向上に貢献
銀行にとってのスタートアップの脅威とは、主に競争力に根差す部分が大きい。テクノロジーを屈指してコスト削減、利便性の向上をウリにするスタートアップと対等に競うには、ブランド力や規模の大きさでは補いきれない面も目立ち始めている。
苦戦する銀行に救世主となる可能性とともに登場したのが、今年設立されたばかりのITサービス会社、Cardlayである。単体のソフトウェア・プラットフォームから、様々な通貨でカードの発行から管理まで行える銀行用ソリューションだ。
Cardlayのウェブサイトによるとカード管理プラットフォームは事業最適化機能も兼ね備えており、支出管理、付加価値税(VAT)還付、自動処理ツールなどが利用できる。カードの発行から決済まで、リアルタイムで処理できるうえに、売上交換手数料が大幅におさえられるという点も魅力的だ。
そのほか顧客エンゲージメントを深めるためのデジタル・サービスも提供しており、24時間365日体制の不正取引モニタリングや銀行顔負けの高セキュリティーレベルを誇る。
Cardlayカードの発行元が国際大手マスターカードという点も、安心感を与えてくれる。すでに400万ドルの資金を個人投資家から調達し、現在はサービスを提供する大手銀行を募集中だ。
FinTech情報サイト「Finextra」の報道によると、Cardlayのヨアン・ジュールCEOは、「インフラ構造は理解しているが、顧客を理解していない」ことを、銀行の弱点として挙げている。銀行がこうした弱点を克服し、顧客サービスを向上するという意味で、Cardlayの採用は大きな前進となるだろう。( FinTech online編集部 )
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