消費動向:財消費はマイナスもサービス消費が下支え

名目個人消費(前月比)は、財消費は▲0.1%(前月:+1.1%)と高い伸びとなった前月の反動もあり、3ヵ月ぶりにマイナスに転じた(図表4)。非耐久財が+0.1%(前月:+1.1%)と、かろうじてプラスを維持した一方、耐久財が▲0.6%(前月:+1.1%)と、大幅な落ち込みとなった。耐久財では、とくに自動車・自動車部品が▲1.5%(前月:+2.0%)と落ち込みが顕著であった。

サービス消費は+0.3%(前月:+0.1%)と、前月から伸びが加速し、消費を下支えした。娯楽サービスが▲0.1%(前月:+0.1%)と前月からマイナスに転じたものの、外食・宿泊+0.6%(前月:▲0.4%)や、住宅・公共料金+0.1%(前月:▲0.2%)が前月からプラスに転じた。

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価格指数:エネルギー価格が押上げも、食料品価格の押下げが持続

価格指数(前月比)の内訳をみると、エネルギー価格指数が+1.3%(前月:+3.8%)と、前月から伸びは鈍化したものの、3ヵ月連続でプラスとなった(図表6)。一方、食料品価格は▲0.2%(前月:▲0.1%)と、こちらは7ヵ月連続でマイナスとなっており、食料品価格が物価を押下げる状況が持続している。

前年同月比では、エネルギー価格指数が+0.9%(前月:▲0.1%)と14年7月以来のプラスに転じた(図表7)。原油価格は、昨年5月から16年2月の30ドル割れまで下落基調となっていたことから、足元の50ドル台前半で今後も推移する場合には、前年同月比でエネルギー価格が物価を押上げる状況が続こう。

一方、エネルギー価格と対照的に、食料品価格は▲1.7%(前月:▲1.8%)と、こちらは7ヵ月連続でマイナスとなった。

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窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

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