エコスタイル,太陽光投資
(写真=PIXTA)

2016年1月に日銀が導入したマイナス金利政策の影響によって、資産運用は極めて難しい時代に入った。預金や債券などリスクの少ない投資商品は、ほとんどリターンがない。

活況だった不動産投資も、一時期と比べれば厳しくなりつつある。相続税対策でアパートが急増したこともあり、最近では、都心部でも空室率が上昇気味だ。

そんな状況の中で、いま注目されつつあるのが「太陽光投資」だ。太陽光というと、自宅の電力を賄う太陽光発電を思い出すが、いま注目されているのはビジネスとして、太陽光発電に投資する方法だ。

太陽光発電事業のための土地や設備一式に投資して、発電事業から得られる収益をインカムゲインとして得る。賃貸用不動産に投資して賃料を収益とする不動産投資に似ている。

不動産投資にはない太陽光投資のメリットとは

ここで注目したいのが、太陽光投資には、不動産投資にはないメリットがいくつかあるということだ。そのメリットを検証してみよう。

(1)空室リスクがない――安定した収益が見込める太陽光投資

不動産投資に、賃貸人が入居しなくなると収益がなくなってしまう「空室リスク」があることはよく知られている。その点、太陽光投資には空室リスクがない。太陽がなくなってしまうことはなく、さらに電力は10年、20年といった長期契約で買取が保証されているために、不動産投資の空室リスクに相当するものがないのだ。

その代わりに、太陽光投資には「天候リスク」が存在する。太陽に照らされないと、太陽光発電はできないからだ。詳しくは後述するが、立地や人口動態を鑑みて、空室リスクと天候リスクどちらを取るかをよく考えたい。

(2)立地を選ばない――人口動態や都市開発と関係なく投資できる

これも不動産投資にはないメリットのひとつだ。不動産投資で大切な要素のひとつが立地だ。利便性や人口が多い地域、今後の都市開発などを考慮に入れて物件の選択をする必要がある。そういう意味では、都心部など人口の多い地域が不動産投資には適しているといえるが、そのような地域の不動産価格はどうしても高額になる。

一方、太陽光投資は場所を選ばない。太陽が良く当たり、日照時間が長い地域が良い立地と言える。つまり、相対的に安価な土地を購入して太陽光投資を始めることができる。また、学校や工場の移転といった周辺環境の変化にも、太陽光投資は左右されない。

(3)公的制度が使える――買取保証で安定した投資

さらに、不動産にはない太陽光投資特有のメリットが、この公的機関のバックアップだ。かつては、地方自治体などによる高額な補助金制度もあったのだが、現在では廃止されている。その背景には、補助金がなくても太陽光発電の設備費用自体が大きく低下したために、補助金の存在意義が薄らいだためと言われている。

一方で、再生エネルギーの普及を狙いとした「再エネ特措法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)」によって制度化された「固定価格買取制度」がある。電力の「全量買取制度」と考えればわかりやすい。このようにクリーンエネルギーを推進したい国の思惑もあり、公的なバックアップを受けることができるのだ。

太陽光投資の魅力とさまざまなメリット

そもそも太陽光投資には、さまざまなメリットがある。

・経済の様々な変動要因にあまり左右されない(電気は必要不可欠な資源)
・地球温暖化防止に貢献できる(クリーンエネルギーという社会的意義がある)
・長期間にわたって安定した収入が得られる
・少ない資金で大きな投資が可能
・低金利ローンが使える
・相続税など節税効果を狙うことが可能

こうしたメリットに加えて、上で述べたように不動産投資にはない太陽光投資のメリット――「空室リスクがない」「立地を選ばない」「公的制度のバックアップ」――もある。不動産投資を検討していた方も、これから資産運用を始める方も、一度、太陽光投資を真剣に検討してはいかがだろうか。