エコスタイル,太陽光投資
(写真=PIXTA)

不動産投資をしたいと考える人の多くは、安定的な家賃収入を求めて始めるもの。昨今、低金利で資金調達がしやすいこともあって不動産投資は注目されている。しかし人気が高まれば、競争も激しくなり、物件価格は高くなりがちだ。それに伴い、投資によって得られる収益の利回りは下がってしまう。

そこで注目されつつあるのが、相対的に高い利回りを保っている太陽光投資だ。このところの環境に対する意識の高まりもあって、「ESG投資」という観点からも注目されているのだ。

利益だけでなく意義も求められる時代の「ESG投資」の意義

ESG投資とは、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「企業統治(Governance)」に配慮した経営を行っている企業を厳選して資金を投じることだ。投資家はその活動を支援しつつ、より有意義な成果を期待する。まずは欧米の機関投資家の間に浸透し、近年は日本でも普及しつつある。

ESG投資における3つのキーワードの中でも、一般の投資家も理解しやすく、また共感を抱きやすいのが「環境」だろう。持続可能な社会をめざすうえで、地球環境の保全はグローバルに果たすべき重要課題となっている。

社会的意義の大きい太陽光投資

こうしたことから、環境に配慮した投資への関心がひときわ高まってきている。そして、様々な選択肢の中でも太陽光投資の魅力が際立っていると言えそうだ。その根拠はいくつか挙げられるが、まず強調したいのが社会的意義についてである。太陽光投資とは、土地付き太陽光発電設備一式に資金を投じるものだ。

発電で得られた電気は電力会社が買い取り、投資家は投資額に応じてその収益が得られる。冒頭でも触れたように、その利回りが相対的に高いのもさることながら、太陽光発電は再生可能エネルギーの典型で地球環境に極めて優しい点も見逃せない。石油や天然ガス、石炭のように枯渇の恐れがあるエネルギー資源とは異なり、太陽光は人間が使用しても、まず、枯渇することがない。言い換えれば、環境への負荷が極めて軽いということだ。

国が後押しする太陽光投資

環境保全に貢献しつつ、より効率的な投資成果を期待できるわけであるから、まさに一石二鳥だといえよう。しかも、空室の発生や家賃の滞納、大掛かりな修繕などによって期待収益に少なからぬブレが生じやすい不動産投資とは違い、太陽光投資は長期間にわたってコンスタントな収益を見込める。

なぜなら、国が定めた「固定価格買取制度」によって、電力会社が太陽光発電から電気を買取る際の価格が20年間にわたって固定されているからだ。つまり、投資家からすれば、20年間の安定収入が国によって事実上約束されているわけである。

例えば、仮に30kWの太陽光発電を設置して発電を行った場合、条件によって違いは生じるものの、少なく見積もっても年間約30,000kWh以上の発電を見積もることが可能だ。これを24.0円(税抜)/kWhで買取ってもらうと、年間72万円の現金収入が得られる計算となる。この金額が20年間にわたって保証されているので、トータルでは1440万円の収入が見込めるのだ。21年目以降は買取価格が下がるものの、電力会社と交わした買取契約自体は継続されるので安心だ。

このような「固定価格買取制度」が設けられているのは、国が太陽光発電の普及に並々ならぬ力を入れているからこそ。いわば国策であり、こうした後押しがあるため、社会への貢献度も高い投資行動となりうる。

投資の世界では「国策に売りなし」といわれる

昔から資産運用、特に投資の世界においては、「国策に逆らうな」「国策に売りなし」といった旨の教えが伝えられてきた。その教訓には「よき内容であろうが悪しき内容であろうが」との前置きがつくようだが、明らかに太陽光をはじめとする再生エネルギーを用いた発電の普及は良策に該当するだろう。

せっかく貴重な資金を投じるなら、太陽光投資のように社会への貢献度の高い選択肢に目を向けたいところだ。