デジタルミュージックが主流となった英国で、レコードセールスの売上が過去25年間で最高に達していることが、英国レコード産業協会(BPI)のデータから判明した。
2016年の売上枚数は320万枚(前年比52%増)と、国内総売上の2.6%、アルバム部門の4.7%を占める快挙を記録。2007年にはわずか20万枚にまで落ちこんでいたことを考慮すると、奇跡的な復活といえる。
対照的にCDは11.7%減、デジタル・ダウンロードは29.6%減と、年々人気にかげりがさしているようだ。
レコード人気復活の背景には、アナログ・イベントの開催や小売店による売り場拡大といった販売促進戦略に加え、デヴィッド・ボウイやプリンスなどアナログ時代に全盛期に突入したアーティストの死去が影響しているものと思われる。
近年、英国ではリアルタイムで視聴可能なオンライン・ストリーミングが最も盛りあがりを見せているが(前年比68%増)、CDやレコードといった非デジタルミュージックの売上は41%と、根強いファンに支えられていることがわかる。
ミュージックチャートを発表している英Official Charts Companyの2016年レコード売上トップ10には、70年代から90年代を中心に活躍したアーティストが数多くランクインしている。