Declaration
(写真=RomanR/Shutterstock.com)

年間の給与所得が2,000万円以下の場合、あるいは給与を貰う先が1ヵ所に限られていて給与以外の所得はないといった場合などを除いて、つまり個人事業主や所得控除以上の雑所得のある人は、基本的に確定申告を行う必要があります。

年が明けてそれほど間もないうちに申告期間となるので、年末年始には源泉徴収票や領収書、必要書類の用意や整理に取りかかる人もいるのではないでしょうか。

既定の税金を納めるのは当然ですが、さまざまな控除があり、正しく申告をすればその分が減額になったり、還付されたりもします。しかし、ほとんどの控除は納税者の側からきちんと申告をしないと受けることができません。仕組みを正しく理解して、上手に賢く確定申告をしましょう。

忘れてはいけない医療費控除

一年の間に、自分や生計をともにする家族が支払った医療費は、一定金額の所得控除を受けることができます。これが医療費控除です。

控除対象となる金額は、医療費の支払い(保険金などで補填される分などは除く)のうち、10万円もしくはその年の総所得金額などが200万円未満の人は総所得金額等5%の金額を差し引いた分です。年内にある程度以上医療費を使った覚えがある場合は、忘れずに申告しましょう。もちろん、そのためには領収書など、医療費の支出を証明する書類をきちんと保存しておく必要があります。

ちなみにサラリーマンの場合は、上記のように給与所得が2,000万円以下の方以外は会社で年末調整をしてくれますが、それでも医療費の控除はあります。ある程度以上の医療費を使っている場合には、会社から渡される「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」という用紙に必要項目を記入し、それを証明する書類とともに提出すれば、年末調整にその内容が反映されることになります。

また、2017年1月1日から「セルフメディケーション税制」という、今までの医療費控除より簡単で安価な薬を買った場合にも、総所得金額から控除が受けられるという制度も始まります。医療費控除との併用はできませんが、こちらも活用したいものです。

「ふるさと納税」は申告不要でも申請が必要?

控除といえば、最近特に注目されている「ふるさと納税」も忘れてはいけません。「納税」の名は付いていますが、正確には地方自治体への「寄付」です。しかし、一定額までは所得税・住民税から控除されるため、納税先を自分で選んでいるような制度になります。

地方活性化の一つとして後押しされていますが、何といっても人気の秘密は各自治体が地域の名産品を中心に取り揃えている、「納税」額に応じて送られてくる「お礼品」の数々です。2015年からは控除額の上限が引き上げられたこともあって、2015年度のふるさと納税の受入総額は前年度の約4.3倍、約1,653億円にまで急上昇しています。

もちろん、ふるさと納税分をきちんと所得税・住民税から控除してもらうためには、原則的には確定申告が必要です。

もともと確定申告が必要ないサラリーマンなどの場合は、ふるさと納税を行う自治体が5つ以下なら申告が不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」もあります。ただ、この場合もふるさと納税先の自治体に、マイナンバーなどを記載した申請書を提出する必要があります。しかもこの申請書の提出期限は確定申告よりも早い、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までなので、注意してください。

他にも、所得金額から差し引かれる控除(所得控除)、税金そのものから引かれる控除(税額控除)にはさまざまな種類があります。それらの詳しい内容については、国税庁のホームページにも書かれているので、申告書類を作成する際には前もってチェックしてみてはいかがでしょうか。(提供: IFAオンライン

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