J-REIT
(写真=PIXTA)

不動産を取得して、賃料収入や売却益を狙うのが不動産投資です。賃料は物価に連動するため、インフレに強いと言われています。

広義の不動産投資には、大きく二つの方法があります。一つは、現物不動産を自分で購入して経営する方法です。もう一つは、J-REIT(J-リート:日本版不動産投資信託)への投資です。REIT関連の金融商品も多数あります。

インカムゲインと節税を狙う現物不動産投資

現物不動産へ投資する場合に生じる利益は、毎月の賃料収入である「インカムゲイン」と、購入時の価格よりも高く売却できたときに発生する利益、「キャピタルゲイン」の2種類です。昔と違って不動産価格が必ずしも上昇するとは限らないため、前者のインカムゲインを狙うのが基本です。

投資用として売り出されている不動産の広告でよく目にするのが「利回り」の文字です。これは年間家賃を不動産価格で割ったもので、物件によっては10%を超す場合もあります。ただしこの数字は「表面利回り」で管理費や修繕積立金、固定資産税などの経費を引いたうえで得られる数字が、実際の収入の目安となる「実質利回り」です。

物件が古くなると修繕費用がかさむなどで変化しますが、一般的に預貯金より高い利回りが期待できるのが魅力です。また、銀行からの借り入れを利用することで、手持ちの資金以上の投資が可能となる点、減価償却や諸経費での節税が可能な点もメリットです。

一方で物件の売買にかかる手間や、空室のリスクなどがあるのも事実。物件によってはハイリスク・ハイリターンの投資先となることを理解したうえで挑戦しましょう。

J-REITは投資先の見極めが肝心

前述の現物不動産投資が個人で行うビジネスであるのに対して、J-REITは投資法人が投資家から集めた資金などで複数の不動産を保有し、発生した売却益や賃料を分配する仕組みとなっています。2000年11月の投信法の改正によって誕生した比較的新しい金融商品で、東証のJ-REIT市場で株式と同じように売買されています。不動産の価値を小口化した投資証券は一口数万円程度で、個人投資家にも手が届きやすい商品といえるでしょう。

J-REITは2016年末現在、50本以上が上場していて、投資先から単一用途特化型と複数用途型の2つに分けられます。前者は主にオフィスビル、住居、ヘルスケア施設、商業施設、物流施設、ホテルの6分野が投資先です。

たとえば「星野リゾート・リート投資法人」は、ホテル・旅館特化型REITです。後者の複数用途型はさらにオフィスビルと商業施設のように2つの用途の不動産に投資する「複合型」と、3つ以上の用途か、または用途を限定しない「総合型」に分類されます。いずれの場合も投資先がどのような商況なのか、よく確認しておくことが重要です。

このほか福岡を中心に商業施設やオフィスビルへ投資を行う「福岡リート投資法人」など、地域密着型のREITにも注目が集まっています。

少額から手軽に始められるREITファンド

J-REITよりさらに分散効果が高いのが、複数のREITに投資するREITファンドです。投資対象地域ごとに国内、アメリカ、グローバルなどの種類があり、個人では難しい海外の不動産市場へもアクセスできます。特にREIT市場の7割を占めると言われるアメリカ市場に投資できるのはファンドならではの魅力でしょう。

REITファンドは一口1万円程度と少額での投資が可能なうえ、積立投資もできます。証券会社が窓口となるJ-REITと異なり、REITファンドは銀行などの窓口でも購入できるので、特定のREIT銘柄にこだわらない場合はファンドからスタートしてみるのもよいでしょう。

この他、ETF(上場投資信託)の中にもREIT指数に連動するものがあります。東証のREIT指数だけでなく、アメリカ、オーストラリアなどのREITに連動しているETFもあり、組み合わせることで地域を分散しての投資も可能です。株式と同様に証券取引所でリアルタイムの売買が可能で、信託報酬も低めなので手軽に取引を始められるでしょう。自分の投資スタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。(提供: IFAオンライン

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