1月5日から8日にわたって米ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)の初日、車内ダッシュボードのモニターから決済が可能な「In-Vehicle Payment(車内決済)」をHondaが発表した。

この新システムはHondaとVisaの提携によるもので、世界初の自動車決済の幕開けとなることが期待されている。

利便性だけではなく安全性の向上にも貢献

世界最大の国際家電見本市、CESで行われた実際のデモでは、同じく共同開発先である米Gilbarco Veeder-Rootの給油ポンプと、IPSグループによるスマート・パーキング・メーターを使用して車内決済が行われた。

運転席に座ったまま駐車料金やガソリン代の支払いが可能になることで、利便性が大きく改善されるほか、悪天候時や夜間でも車外にでる必要がなくなるため、安全性の向上にも一役買ってくれるだろう。

このプロジェクトは昨年、HondaとVisaによって発足。2014年、米シリコンバレーに開設した自動車アプリ開発所「Honda Developer Studio」をとおして、開発が進められてきた。

Honda Developer Studioのジョン・ムーン氏は、決済市場が革命的に進歩した近年、こうした最先端の技術を自動車に取りいれる絶好の機会であるとの考えを表明している。

Hondaはほかにも、AI(人工知能)技術を利用した世界初の感情エンジン「HANA」搭載のEVコミューター・カー「Honda NeuV」、バランス制御技術を屈指した次世代バイク「Honda Riding Assist」などのテストモデルをCESで発表。独自のテクノロジー研究を深めることで、消費者の生活をより便利で安全なものへと進化させる開発に取り組んでいる。

FinTechの影響は金融産業だけにとどまらず、保険、自動車、輸送など多様な産業に広がりを見せている。「自動車決済が当たり前」の時代が、そう遠くはない未来に到来しそうだ。( FinTech online編集部

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