観光税,英国,観光
(写真=bath.co.ukより)

英国初の「観光税」導入が、南西部の観光都市、お風呂(Bath)の語源となったバース市で検討されていることが、保守党地方議員の発言から判明した。

観光税はイタリア、スペイン、フランスなどですでに導入されているが、英国のVAT(付加価値税)が20%とEU諸国中最も高税率である事実を考慮し、さらなる税金の徴収が観光客の足を遠ざけるのではないかとの懸念も持ちあがっている。

導入されればVAT20%に上乗せ、英国観光は高くつく?

1月9日、英国放送協会(BBC)の地方ラジオ番組に出演したバース・アンド・ノース・イースト・サマセット州のチャールズ・ゲリッシュ議員は、宿泊客からの観光税徴収をバース市自治体が検討していることを明らかにした。

観光税とは、宿泊税・出入国税・ホテル税・リゾート税などという名称で、地方自治体や政府に観光客が納める税金を指す。日本では自然保護の目的で山梨県と静岡県、沖縄県の一部の離島で導入されているほか、京都市でも検討されている。

ロンドンに次ぐ観光地として人気のバース市は、ローマ帝国時代に保養地として繁栄したことで有名だ。現在も街の中心部に跡を残すローマ式の大浴場や、大聖堂を始めとする歴史的な建築物を見学しようという観光客でにぎわっている。

英地方新聞バース・クロニクル紙のデータによると、2014年の観光客は480万人(うち一晩以上の宿泊客は96万9900人)。年間観光収入は4億1100万ポンド(約578億4965万円)にのぼる。単純にひと晩につき1ポンド(約141円)を徴収すると計算しても、莫大な収入につながる。2020年までに370万ポンド(約5億2051万円)のコスト削減を目標としているバース市にとっては、棚ぼた式の追加収入源となる。

ゲリッシュ氏は他国で観光税が導入されている点を例に挙げ、バース市のような国際的観光地がそれにならうのは不自然ではないと主張。しかしすでに観光税を導入しているEU諸国のVATが10%以下であるのに対し、英国では2倍にあたる20%を標準税率としている。そのうえ宿泊費も物価なども英国の方が割高だ。Brexitで揺れる英国にとって、観光客を誘致する利点にならないことは確かだろう。

さらにバース市が観光税導入に踏みきることで、英国のほかの都市が一斉に同様の動きにでる可能性も否定できない。英テレグラフ紙の報道によると、昨年ロンドンのカムデン区自治体も1晩1ポンドの宿泊税を検討していたそうだ。

昨年最も観光税が高かったEU諸国の都市はイタリアのローマで、1家族(両親、16歳の子ども2人)が5つ星ホテルに1週間滞在した場合、平均196ユーロ(約2万3908円)が徴収されていたという。自然保護や地元活性化のためとはいえ、素直に「はい、どうぞ」と払える金額とはいい難い。(ZUU online 編集部)

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