デロイト(Deloitte)は1月12日、ウォール街に新たなブロックチェーン・ラボを開設すると発表した。昨年5月アイルランドで開設されたデロイト初のブロックチェーン・ラボに次ぐ、第2の革命ハブとなる。
新たなラボには20人を超えるブロックチェーン開発者、設計者が集結し、ブロックチェーンの機能や概念実証をプロトタイプに落としこみ、簡単に統合可能な金融サービス向けソリューションの実用化に専念する。
ピシンCEO「2017年はブロックチェーンの実用性が立証、あるいは反証される」
ウェブサイト上に掲載された情報によると、多数の海外テクノロジー企業が新たなラボにおける開発に参加する予定だ。今年中にはほかの地域にもラボの開設を検討しているという。
ブロックチェーンを初めとする最先端のテクノロジーの登場により、転換期をむかえているとされる金融産業だが、実際にはまだまだ成長段階にあるようだ。デロイトが実施したサーベイからは、現時点でブロックチェーン開発に取り組んでいる金融機関がわずか12%であることが判明している。しかし24%は今年中に開発に着手する意向を示していることから、需要の急激な伸びが期待できる。
2016年は金融機関にとって「ブロックチェーンの概念実証の年」であったが、今年は数々の実験結果を実用化に向け、次の段階に前進する時期にさしかかっているとデロイトは見ている。
デロイト・コンサルティングのエリック・ピシンCEOは、「実験結果の実用化がデロイトの重要課題である」とし、「今年はブロックチェーンの実用性が立証、あるいは反証される年になる」とコメント。
デロイトは世界20カ国、800人以上の専門家を集め、すでに30種類を超えるブロックチェーン・ソリューションの開発に成功している。開発分野はデジタル認証、バンキング、国際決済、トレード・ファイナンスから投資マネージメント、保険など、多様な金融サービスを専門に手がけている。将来的には開発分野の幅を、金融サービスからほかの分野に広げていくことも検討しているそうだ。( FinTech online編集部 )
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