8時間睡眠,ストレス,ジェフ・ベゾス
(写真=PIXTA)

最近、8時間睡眠が注目されている。昔から「理想の睡眠時間は8時間」と言われてきたが、長時間労働が心身に与える悪影響が広く知られ、より効率的な働き方へと社会の関心がシフトしてきていること、さらに米Amazonのジェフ・ベゾスCEOを始めとする世界的な成功者たちが8時間睡眠の重要性について発言していることが、その要因だろう。

心理カウンセラーとしても、8時間程度の睡眠時間を確保することは重要だと、私は思う。カウンセリングに来られる方の多くは睡眠に問題を抱えているが、これが改善されるだけで、心身ともに調子が安定するケースを何度も見てきているからだ。一方で8時間睡眠がストレスになることもある。良い睡眠のために何に気をつけるべきか、ご紹介したい。

8時間睡眠が良しとされる理由

8時間睡眠が良しとされているのは、仕事でベストのパフォーマンスを発揮できるためである。日本睡眠医学協会によると、睡眠障害は脳機能に影響を及ぼし、集中力や判断力、論理的思考力だけでなく、意欲や感情抑制まで低下させる。当然ながら、これでは仕事の質も効率も落ちる。十分な睡眠を取って脳疲労を回復し、持っている力を発揮する方が、個人にとっても企業にとってもメリットがあると言えるだろう。

とはいえ、8時間睡眠には2つの問題がある。1つは、実行するのが容易ではない点。もう1つは、あくまでパフォーマンス低下を防ぐものであり、能力が上がるわけではない点である。

8時間睡眠に縛られる生活