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(写真=Peshkova/Shutterstock.com)

資産運用を始めたいと思っても、さまざまな運用商品、運用方法の中から何をどう選べばいいのか、初心者には分かりにくいものだ。資産運用の初心者が事前の準備が不十分で投資をすると、失敗して資産を減らすリスクがある。そこで、抑えるべき最低限のポイントを知っておきたい。

利益の種類を把握しよう

資産運用で利益をあげるには2つの方法がある。一つはインカムゲインで、資産を保有することで定期的に得られる利益だ。預貯金の利子、不動産の家賃収入、株式の配当金などがある。もう一つはキャピタルゲインと言い、資産を売買することにより、売買差益を利益として得る方法だ。不動産、株式、為替などの売却益がこれに該当する。

インカムゲインとキャピタルゲインでは利益の大きさが異なる。一般的に大きな利益を求めるならば、キャピタルゲインが向いている。インカムゲインは定期的な収入である反面、定額であったり、増えたとしても元本に対する上昇率が微増であったりすることが多いからだ。一方、キャピタルゲインの場合、あくまで可能性の話であるが、売買がうまくいけば元本以上の利益を得ることもできる。

また、インカムゲインとキャピタルゲインでは時間軸の捉え方が違う。定期的な収入であるインカムゲインの場合、利益を積み上げるには相応の時間が必要だ。一方、キャピタルゲインの場合、短期保有で大きな利益がでることもあるが、大きな損失を被ることもある。

資産運用の目的や利益の目標、望む時間軸の観点から、どちらの利益を目的に資産運用するかを検討すべきだろう。

リターンとリスクの関係を理解しよう

資産運用において最も重要なのが「リスク」である。一般的に、リスクが低いものは期待できるリターンが少なく(ローリスク・ローリターン)、リスクが高いものは期待できるリターンも高く(ハイリスク・ハイリターン)なる傾向がある。この中間としてミドルリスク・ミドルリターンの運用商品もある。自分が投資しようとしているものは、どの水準かを確認したうえで、運用することが重要だ。

個別のリスクで考えると、金利変動、為替変動、価格変動、流動性、信用、カントリーリスクなどが挙げられる。しかし、必ずしもすべてが関係するわけではなく、運用商品の種類によって該当するリスクは異なる。初心者は、どの商品や方法で資産運用を始めるにしても、いずれかのリスクを負うことになることを念頭に、該当するものを確認する必要がある。

リスクとうまく付き合うには、資産運用のルールを決めることが重要だ。資産運用は、利益を得ることも、損失を抱えることもある。特に、含み損(売却した場合、損失になるもの)が膨らんで、売却に踏み切れないまま大きな損失を抱え、次の投資行動に移れなくなることは避けるべきだ。「何%の含み損が発生したら、売却する」などの具体的なルールを決め、確実に実行することをお勧めする。

投資期間に沿った行動を

投資期間に沿った運用も重要なポイントだ。例えば、リタイアメント層の方が退職金を運用する際は、ハイリスクな商品はあまり向いていない。大きな損失を被った場合、損失を取り返すまでに時間がかかるからである。反対に若年層の方が、老後の生活費を運用する際は、ある程度リスクを取った運用をしても良いだろう。老後を迎えるまでに時間があるので、一時的に損失を被ったとしても、長期間で運用するため、利益を得られるチャンスも多いからだ。

一人ひとり投資を始める理由やタイミングは異なる。他の人が成功した方法が自分に合っているとは限らない。どの商品・方法で資産運用するにせよ、資産運用の目的を明確にし、リスクとリターンを認識し、自分の時間軸に沿った運用を選択することが重要だ。分からないことを分からないまま進めるのではなく、専門家に相談することをお勧めしたい。(提供: みんなの投資online

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