中国の三大ビットコイン取引所、BTCC、Huobi、OK Coinによる取引手数料導入で価格変動が懸念されていたビットコインだが、現時点では価格ではなく取引量に著しく影響していることがCoindeskの報道から明らかになった。
しかしトレーダーの間では「長期的な視点から見ると、ビットコイン市場を安定させる流れである」と、ポジティブに受けとめられているようだ。
中国政府による規制強化の動きが今後影響?
BTCCを筆頭とする三社は1月22日、ビットコインおよびライトコインの売買に0.2%の取引手数料を課すことを発表した。この発表によりある程度価格変動が予測されていたにも関わらず、価格に代わって大きな反動を見せたのは取引件数だった。
ビットコイン価格サイト、Bitcoinityのデータから例を挙げると、導入が一斉に発表された22日の23時から翌日0時にかけて、OKCoinでは4800件の取引が行われた。しかし1時間後には1000件にまで急激に落ちこんでいる。またBTCCでも同様の変動が見られ、22日19時から20時の取引件数が3万7000件を上回っていたのに対し、翌日0時から1時には1000件に減った。
一方価格にはそれほどネガティブな反響が見られていない。CoinDeskのデータでは22日7時には935.31ドル(約10万6316円)だった価格が24日23時には885.70ドル(約10万677円)まで下落したものの、25日3時には901.92ドル(約10万2521円)まで素早く回復した。
こうした動きはけっしてネガティブなものではなく、むしろ自然な流れだと歓迎するトレーダーが多い。ビットコインOCT(窓口取引所)、リッチファンズのマーケティング・マネージャー、コン・ガオ氏などは、取引件数の減少によい意味でビットコインの流動性を見いだしているという。
取引が急減した主な原因として、手数料導入が高頻度に取引を行っていたトレーダーを遠ざけたと推測されている。価格に激しい変動が見られないということは、ビットコインが一過性のブームという域を超え定着し始めた現状を表しているのだろうか。
しかし今月にはいり、中国人民銀行がビットコインの規制・管理についてHuobiなどの業務に介入するなど、今後本格的に規制が強化される可能性が高まっている。中国人民銀行はビットコインが法廷通貨でない事実を強調し、投資家間のリスク意識を高める構えだ。( FinTech online編集部 )
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