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Written by 丸山隆平 12記事

大手町ビルに移転

今年のフィンテックはどうなる? FINOLABリニューアルイベントで議論

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イベントに登壇した(左から)阿部、増島、保科、マクダッドの4氏(写真=FinTech online編集部)

フィンテックベンチャー企業を集積、日本のフィンテックイノベーションの推進を目指し、昨年2月から東京・大手町の東京銀行協会ビル内で運営されてきた「The Fintech Center of Tokyo FINOLAB」が2月1日、東京・大手町ビルに移転、リニューアルオープンした。 フィンテック関係者が一堂に会した感のあるオープニングイベントをレポートする。(経済ジャーナリスト 丸山隆平)

運営1年を迎え拡張・移転、海外から6社、企業会員5社も結集

FINOLABは三菱地所、電通、電通国際情報サービスの3社協業により、フィンテックのスタートアップ企業を支援しつつ、大手企業との連携を図り、研究開発や実証実験を創出するコミュニティーづくりを目指している。

2016年2月1日に東京銀行協会ビルに設置されスタートしたが、約8カ月間で35社(うち海外企業5社)、協賛企業3社が参画し、運営1年を迎え今回、拡張・移転した。

イベントではまず、三菱地所執行役常務の湯浅哲生氏が「1年前、ご挨拶させていただいたなかでこのFINOLABO は日本のフィンテックの聖地になると申し上げたが、本日、改めてその想いを強くしているところだ」とあいさつ。続いて来賓として金融庁総務企画局企画課信用制度参事官室企画官の神田潤一氏が祝辞、コモンズ投信会長の渋沢健氏が「日本の金融業界の未来について」と題してスピーチした。

主催者として電通国際情報サービス金融事業開発部部長の伊藤千恵氏が「FINOLABOが目指すもの」として今回のリニューアルのポイントを説明。伊藤氏は「発足1年で急成長し、FINOLABを卒業する企業も輩出する一方、新たに参画する企業も増加した。床面積を2.4倍に拡張し、大手企業向けのプロジェクトルームも用意した。現在、スタートアップ企業として32社が入居。うち6社が海外から参加している」などと説明した。

(写真=FinTech online編集部)
(写真=FinTech online編集部)

今年はフィンテック各論の第1章だ――増島氏

次に金融革新同友会FINOVATORS代表理事の増島雅和氏が「FinTechのゆくえ2017」と題して講演した。弁護士であり、法律面からフィンテックを見ている第1人者と目されている増島氏は「今年はフィンテックが日本に根付くのか本格的に問われる年。昨年が総論とすれば今年は各論の第1章だ」としたうえで、今年のフィンテックのテーマとして以下の5つを指摘した。

(1) 証券・保険
(2) 支払いだけでなく資金調達の手段としての仮想通貨ビジネス、仮想通貨に絡む消費者保護
(3) ペイメントそのもの進化:オープンAPI、プラスチックからスマホへなど2020年の キャッシュレス社会へ向けた動き
(4) 小口資金調達、クラウドファンディング
(5) ブロックチェーン:どのブロックチェーンを使い、どう実装するのか

銀行APIの開発環境で協業を推進――みずほFG・阿部氏

FINOLABでは移転・拡張を機に、フィンテックを活用したプロジェクト、アクセラレータープログラムなどを FINOLABで実施する企業会員5社を加えた。

その中の1社、みずほファイナンシャルグループのインキュベーションPTの阿部展久PT長が「オープンイノベーションの実現に向けて」と題して同グループのフィンテック戦略について解説した。阿部氏は昨年4月からスタートさせた中期経営計画の5つの基本方針の一つとして「金融イノベーション」を掲げていることを指摘、「フィンテックに積極的に取り組んできている」とした。その上で阿部氏は「今年度は具体的に動く年」と述べ、「多くのフィンテックベンチャーと協業しているが、さらに加速するため FINOLABに入居、銀行APIの開発環境を使ってコラボレーションしていきたい」と述べた。

メガバンクの総合的なフィンテック戦略が明らかに

続いてみずほフィナンシャルグループのインキュベーションPTシニアデジタルストラテジスト大久保光伸氏、マネーツリー/FinTech協会APIセキュリティ分科会担当理事のマーク・マクダット氏、Liquid Japan代表取締役の保科秀之氏がパネラーとして参加、前出の伊藤氏がモデレーターを務めた「BANK APIの可能性」と題したパネルディスカッションなどが行われた。

この中でみずほFGの大久保氏が銀行APIの動向、同社の研究開発のテーマであるIoT決済プラットフォームについて解説、メガバンクの一角の総合的なフィンテック戦略が明らかとなった。

大久保氏は「みずほFinTechのAPIエコシステム」を示し、同グループが進めている銀行APIのビジネスモデルについて解説した。

「B2Bではマネーフォワード、freeeと連携しており、B2Cではマネーツリーと連携している。このようにAPIは公開して利用してもらうケースと、外のプラットフォームや機能を利用するケースがある。プラットフォームの利用ではLINEからの残高照会などがある」と大久保氏。

続いて、みずほFGが目指すFinTechのAPIエコシステムのコンセプト「Everyday Banking」について説明した。

「お客さまの銀行ならではの決済手段による『日常の捕捉』と、銀行が本来強みを持つ『非日常消費の喚起』をテクノロジーでつなぐことで、ライフスタイル・ライフイベントを支えるシームレスなサービス体験を提供していくことを目指す」とし、「これまで顧客との接点が店頭、ATM、モバイルだったが、APIを活用することで、例えば交通機関ならコネクテッドカー、住宅ならスマートオーム、レジャーならウエアラブルデバイスなどライフスタイルをつなぐ機会を創出できればいいと考えている」(大久保氏)と述べた。

最後に大久保氏はこれらの計画のスケジュールとして、2017年度は個別のアライアンスによるサービスのリリースを進め、2018年度、2019年度において本格的に新規サービスをリリースしていくとした。

最後に懇親会を兼ね、FINOLAB入居しているスタートアップ企業の紹介も行われた。

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