超富裕層の職業

超富裕層の方の職業は、その大半が経営者(引退者含む)になります。経営者だけで57%を占め、次に医者や歯科医の24%と続きますが、この医者や歯科医も大半は開業医や医療法人オーナーで、勤務医はほとんど含まれません。つまりビリオネアの8割前後の人が、法人のオーナーや経営者であるといえます。

なお、お金持ちのイメージのある他の職業の方ですが、著名人などが10%、公認会計士や弁護士などの専門家が合わせて3%、優良企業の役員が3%と続きます。

金融資産5〜10億円の超富裕層に企業経営者が多くなる理由ですが、一番は保有する自社株の価値が高まるためだといわれています。そのため、超富裕層となるには、ただの経営者ではなく、創業社長(またはその相続人)となる必要があります。サラリーマン社長では、よほど役員報酬の高額な企業でないと、超富裕層に達することは難しいかもしれません。

参考: 「創業社長VSサラリーマン社長」~アジアの富裕層ビジネスから見えてきたもの~

ちなみに、金融資産1億円から5億円前後の人が属する富裕層も、やはり経営者が多いのですが、その比率はここまで高くはありません。
1億円は確かに大金ではあります。しかし例えば一定水準以上の給与の企業や、公務員などに夫婦共働きで勤めていた場合、二人の生涯賃金の合計は数億円を超えます(少し古い数字ですが、2005年の大卒男性で正社員の平均生涯賃金は約3億円といわれています)。これだけの収入があれば、生涯かけて1億円を貯めることは決して不可能ではありません。サラリーマン世帯の方でも富裕層となることは可能なのです。

超富裕層の住むエリア

<<超富裕層の住む都道府県TOP10>>

1位  東京都  7783人(29.5%)
2位  神奈川県 2227人(8.4%)
3位  愛知県  1852人(7.0%)
4位  大阪府  1774人(6.7%)
5位  兵庫県  1228人(4.7%)
6位  埼玉県  1137人(4.3%)
7位  千葉県  1011人(3.8%)
8位  静岡県  631人(2.4%)
9位  福岡県  623人(2.4%)
10位  北海道  605人(2.3%)

<<超富裕層の住む市町村TOP10>>

1位  東京都世田谷区 3783人
2位  東京都大田区  1904人
3位  東京都杉並区  1776人
4位  東京都練馬区  1297人
5位  東京都渋谷区  1091人
6位  東京都目黒区  1036人
7位  東京都港区     943人
8位  東京都新宿区    858人
9位  東京都中野区    774人
10位  東京都足立区    739人

超富裕層の住むエリアですが、居住する都道府県をみると東名阪といわれる首都圏、愛知を中心とする中部、大阪や兵庫などの関西に集中していることが分かります。
愛知はトヨタ自動車や三菱重工、また神戸にも神戸製鋼など日本を代表する大企業の拠点があり、その関連会社も多く存在します。超富裕層には経営者が多いため、これら優良企業の多い地域に超富裕層も集中しているのでしょうね。

また自治体単位で富裕層の住まいを見ると、東京都の世田谷区、太田区、杉並区などに多くの方が住んでいます。世間の通念的なイメージですと、六本木や麻布のある港区などに多いイメージがありますが、もっと広い地域に分散していますね。
ちなみに世田谷区は、戦前からの歴史で旧財閥系や旧皇族・華族系の富裕層の方が多いと言われています。そして大田区は高級住宅地田園調布の存在に加えて、高い技術をもとに高収益を稼ぐ企業も多く、企業オーナーが多く住んでいると言われています。

また、上のリストでは1位から10位までを掲載していますが、全て東京都の市町村と言うのも印象的です。実は市町村単位では上位12位までを、東京都の市町村が独占しており、超富裕層の東京への集中ぶりが伺えます。
なお上位20位以内に入った、東京都以外の市町村は、13位神奈川県横浜市北区(653人)、14位神奈川県横浜市青葉区(649人)、15位兵庫県西宮市(633人)、17位神奈川県藤沢市(564人)、19位大阪府豊中市(549人)などになります。

以上、前編の今回は日本で超富裕層といわれる方々の属性や規模感などの特徴を見てきました。
後編の次回では超富裕層と呼ばれる方々の暮らしぶりや、消費の特徴などをお届けします。(ZUU online 編集部)