マイナス金利下ということもあり、投資への関心は高まっていると考えられるものの、なかなかリスク資産への財産・資産の移転が進まない。そんな現状を打破しようと、カブドットコム証券 <8703> が2月7日、オンライン教育プラットフォームのUdemyと提携、投資教育講座「kabu.study(カブスタディ)」を始めると発表した。第一弾コンテンツとして「1日でマスター!今日からはじめる資産形成」講座をスタートさせた。
カブドットスタディのコンテンツは、Udemyに登録すれば有料で閲覧できるが、カブドットコム証券の口座開設者であれば無料で受講できる。第一弾コンテンツは2400円のところが無料になるという。
ローンチイベントでは同証券の齋藤正勝代表執行役社長のほか、Udemyのバイスプレジデント、リチャード・チウ氏、Udemyの日本の提携先であるベネッセコーポレーションからも関係者が登壇、新たな取り組みについて発表をした。
齋藤社長は「これまで投資教育が普及しなかった理由は大きく2つあって、一つは金融機関が前面に出て教育のプロの監修が足りなかったこと、もう一つは座学がメーンでネットの活用が足りないなど“手法”が不十分だったこと」と指摘。「わが子にプログラミングを教えようと教材を探していて見つけたのがUdemyで、自分もユーザーとして使ってその良さが分かったのでベネッセさんに飛び込んだ」と提携の経緯について明かした。
丸山晴美さん「投資は難しくないし、資産形成は少額で始められる」
Udemy(ユーデミー)は世界中で会員数1400万人、講座数4万2000コース、対応言語も80を超える世界最大級のオンライン教育プラットフォーム。2010年に米国で誕生、日本では15年4月からベネッセコーポレーション <9783> と提携して事業展開している。講座はIT、ビジネス、デザイン、英語などがあり、有料も無料もある。
イベントでは齋藤社長のほか、チウ氏、カブドットコム証券の営業推進部UX戦略グループ松永亜弓氏、ベネッセコーポレーションの学校カンパニー福光賢治カンパニー戦略部長らが登壇して新たな取り組みの概要や狙いなどを説明した。福光氏は教育業界では入試改革が大きく取り上げられることが多いが、むしろ大人、社会人向けの教育改革こそが求められているとしたうえで、「この取り組みは政府がめざす教育改革に合致している」と自信をのぞかせた。
このほかトークセッションが行われ、タレントのダチョウ倶楽部さん、オクヒラテツコ(ぺこ)さんらが登壇。FPの丸山晴美さんから投資、資産運用に関するレクチャーを受けた。
登壇者から「投資は資産家がリスクを承知でするものというイメージ」との指摘があったことに対して、丸山さんは「投資は難しくないし、資産形成は少額でも始められる」と答えた。さらに「投資先を選ぶポイントはいっぱいあって、格言で『遠くのものは避けよ』というものがあるように、ぺこさんならファッションなどの分野で売れているもの、ヒットしているものを身の回りで探すことが投資判断につながる」などと解説した。
動画講座で学んだ投資家が教える側にまわって欲しい
齋藤社長はイベント終了後、Udemyについて「自分もデータサイエンティストやセキュリティ関連の講座を利用するなど、家族でユーザーとして1年近く利用した上で提携をご相談したので、仕組みやコンテンツの良さは分かっている。できれば当社で口座を開設してくださっているお客様全員に講座を受けてもらいたいし、ここで学んで投資を成功させたお客様が今度はレクチャーする側になってもらいたい」と話した。
その上で、「投資教育の重要性はグループとしても認識しているはずなので、この取り組みをMUFG全体に広げたい。それが、金融庁が掲げ政府が進める『貯蓄から資産形成へ』という流れを後押しにつながると思っている」などと抱負を語った。( FinTech online編集部 )
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