1月27日にサービスを開始したタイ政府主導のC2C送金サービス「PromptPay」が、すでに登録者140万人、1日の取引件数は1万5000件を突破する勢いだという。
この盛況ぶりをうけ、3月にはB2B送金サービス、食料品店などで利用可能な少額決済サービスの開始も予定されている。タイ政府はデジタル・エコノミー化に向けたプロジェクト「ナショナルeペイメント」を通じ、キャッシュレス社会の実現を目指している。
拡張性のあるバックドア・システムで大量取引処理も可能に
タイ政府が送金システム改革の一環として開発した「Prompt Pay」は、個人IDと銀行口座をリンクさせ、個人間の送金に国民番号や携帯番号を利用できるというものだ。銀行口座を開示する必要がないため金融犯罪の防止に役立つほか、5000バーツ(約1万6209円)以下の送金は手数料が無料という点で、非常に気軽に「ちょっとした送金」ができる。
本来は昨年10月のサービス開始が予定されていたものの、「技術的な問題の解決に時間を要し、今年にはいってようやく機動することになった」とバンコック・ポスト紙は報道じている。
中央銀行のデータによると、タイ国内における昨年9月の送金取引件数は2億8800万件。一日平均960万の取引が行われている計算だ。ウィーラタイ・サンティプラポップ総裁は2月7日にバンコクで開催されたフォーラムで、年々増加傾向にある送金サービス利用に対応するうえで、PromptPayが欠かせない存在となることをアピール。
PromptPayのバックドア・システムは拡張性があるため、アップグレードすることで将来的にはより大量の取引処理も可能になる。
3月を目途にしているB2Bサービスの開始については、多少ずれこむ可能性が示唆されている。またC2Cとは異なり、手数料無料という特典は想定外だという。しかし「手数料という点でも競争力の高いサービスにする」と、期待を裏切らないB2Bシステムが誕生しそうだ。( FinTech online編集部 )
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