インドステイト銀行(SBI)がブロックチェーン・ファイナンシャル・コンソーシアムを設立したことが、印エコノミック・タイムズ紙など複数のメディアの報道から判明した。
ICICI銀行、フェデラル銀行を含む大手商業銀行10社のほか、IBM、Microsoft、KPMGといった国際大手と提携し、ブロックチェーン技術を活用した次世代貿易金融システムの開発に挑む。
広範囲な共同事業が金融包括を実現する?
エコノミック・タイムズ紙の取材に応じたシリ・マハーパトラ専務取締役は、「金融産業の未来を築く」といわれるブロックチェーン技術の研究に率先して取り組むことが、インド最大手銀行としていかに重要な役割を果たすかについて語った。
手始めにフォーラムを結成し、貿易金融および融資用書類のブロックチェーン化に着手する。世界中でデータを共有し、認証サーバーなしで取引データの正当性を確定することが可能になるため、従来のメールや紙面による業務プロセスを省略できる。大幅な労力とコスト削減の手段としてはまさに理想的だ。
提携先として並みいる強豪大手が肩を並べている点にも期待が高まる。Microsoftはハイブリッド・クラウド・プラットフォーム「Azure」、IBMは「Bluemix」をとおし、クラウド環境におけるブロックチェーン・ネットワークの構築に挑んでいる。
またKPMGもMicrosoftと提携し、クラウド・トランスフォーメーションおよびコンプライアンス(CTC)やビジネス・ソリューションなどの開発を続けている。シンガポールなどに共同ブロックチェーン・ハブ「Blockchain Nodes」を開設する計画も発表されたばかりだ。
複数の大手銀行が独自のブロックチェーン研究を進めているが、銀行の上層部からは「そうした研究成果はすべての銀行で共有されて初めて意味を成す」との指摘もあがっている。今後より多くの企業が分野にとらわれず提携関係を結び、本当の意味での金融包括実現に向けて働きかけて行くことが、新たな「常識」となっていくだろう。( FinTech online編集部 )
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