英国西部に位置するウェールズのレクサム・グリンデュア大学が、英初のFinTech学位コースを開始する。
FinTech市場の需要に国際水準で対応するために用意されたカリキュラムに従い、金融産業の基礎からFinTechスキルまでを集中して学べる3年間の本格コースだ。フォーチュン500企業や国際人材派遣会社などと提携し、キャリア支援体制も万全だ。
広範囲な分野で即戦力となるFinTechスキルを取得
グリンデュア大学で今年からスタートする「ファイナンシャル・テクノロジー・マネージメント」は、米大手投資会社、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツと、米大手金融機関、ステート・ストリートの支援によって実現した。
グリンデュア大学のウェブサイトによると、初年は一般営利原則をみっちりと学んで基礎を固め、2年目からFinTechについての知識や経験を積んでいく。国際市場、投資戦略、税制から企業リスク、パフォーマンス、マネージメント、イノベーション、持続可能性といった広範囲な分野で即戦力となるFinTechスキルを目指す。
教鞭をとるのは会計あるいは金融の専門家。フォーチュン500企業や国際人材派遣会社とも提携し、受講中に実践力を養うだけではなく卒業後のキャリアへの架け橋になる配慮も伺える。
海外からの生徒も募集中だが、基本的には、Bランク以上のUCASポイント(英国で大学進学時に必須となるAレベルなどの資格をポイント化したもの)相当の学力が入学条件となる。年間受講料は9000ポンド(約127万円)。ただし国籍によって入学条件や受講料は異なるため、事前の問い合わせが必要だ。
2016年のFinTech市場への国際投資は174億ドル(約1兆9578億円:Pitchbook調査)。今後同様の本格的なFinTechコースへの需要が高まることが予測される。すでにIT教育機関、Byte AcademyがGoogleやMicrosoftを含む大手国際企業の支援のもと、シンガポールで世界初の短期集中型FinTechを開設。同じくFinTech熱が勢いを増すスコットランドのストラックライド大学も、今年から1年間の科学修士コースにFinTech科目を取りいれている。( FinTech online編集部 )
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