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賃貸マンションには色々な優待・特例が設けられている

これから賃貸マンションを経営しようとしている人は固定資産税に悩むかもしれませんが、賃貸マンションには色々な優待・特例が設けられており、土地部分の固定資産税が本来の約9分の1、建物部分の固定資産税も本来の約3分の1に減額されるため、あまり固定資産税の負担に悩む必要がありません。また、既に賃貸マンションを経営している人であっても、土地部分の固定資産税を本来の約9分の1に減らすには一定の条件が必要になるため、ギリギリで最大減免の対象外になっている場合は対象になる様に増改築する方がお得です。その他、2棟の賃貸マンションを2つの地番に分筆したり、賃貸マンションの住民に貸し出すための駐車場をマンションと一体化したりする等、色々な工夫を用いることにより、最終的な固定資産税額を減らすことが可能です。


更地のままの土地は固定資産税が高額

固定資産税は地方自治体が作成する「固定資産税台帳」上の評価額によって決まります。税率は地方自治体により異なりますが、標準税率である1.4%を用いている所が主流を占めています。要するに、標準税率の地方自治体において評価額1億円の土地を保有する場合、毎年140万円の固定資産税が課税されます。

土地には高額な固定資産税が課せられるため、何も建物が建っていない土地を更地のまま持ち続けるのはあまりお勧めしません。また、土地を運用して値上がりを待っていても、年間1.4%も地価が上昇する可能性は極めて低いため、ある意味、別の意味で負債になってしまうかもしれません。特にローンを組んでまで更地のままの土地を購入するのは具の骨頂です。ローンと固定資産税の両方の支払いが必要になるため、預貯金が意味を持たなくなるぐらいの急激なインフレ時を除いてあまりお勧めできません。土地は建物を建てて初めて固定資産として意味を持つモノと考えて下さい。


賃貸マンションは固定資産税を算出する際に用いられる評価額が低い

固定資産税では賃貸マンションを優遇しており、基本税率は他の建物と変わらないもの、地方自治体の帳簿に載る評価額の取り扱いが異なります。帳簿上の評価額は必ずしも実価格と同額ではなく、それより低くなる例が大半を占めますが、一戸建て住宅、及び、分譲マンションの場合、一般的に実価格の4分の3前後が評価額になるのに対して、賃貸マンションの場合、同じ住宅であっても財産としての価値が下がるのか、実価格の2分の1前後が評価額になる傾向が見られます。

一例として、土地・建物を合計した実価格が8億円の分譲マンションの場合、固定資産税を求める際に用いられる評価額は実価格の約75%である6億円前後になりますが、実価格が同価格の賃貸マンションの場合、評価額は実価格の約50%である4億円前後に下がるため(基本税率の地方自治体であっても)最終的な実効税率は1.0%を下回ります。

なお、固定資産税率を高く設定している地方自治体の方が賃貸マンションを建設する意味があります。評価額当たり発生する固定資産税が異なる関係上、減る割合が同じ3分の2であっても減る金額が異なります。同じ理由で地価が高い土地ほど減額される金額が高くなります。土地が高くても建設に必要な費用は殆ど変わらないため、地価が高い都心ほど賃貸マンション経営に向く地域です。以上の点からして、複数の土地を持っている場合、固定資産税が高い方を優先して賃貸マンションを建設する方が得策ですが、全ての土地に賃貸マンションを建てられるだけの資金がある場合、全ての土地に建設する方が良いでしょう。


アパート・マンションと商業ビルでは固定資産税の求め方が異なる

アパート・マンション等の集合住宅に関しては、第2章の評価額の軽減以外にも数々の優遇があります。まず、「小規模住宅用地の特例」と言う特例により、土地部分に関する評価額が6分の1(1戸当たり土地面積が200平方メートルを超える場合は3分の1)になります。また、「新築住宅の税額の軽減措置」と言う措置により、アパートは3年間、マンションは5年間、建物部分の評価額が2分の1に減免されます。これにより、マンションの評価額は他の建物の半額以下に下がります。実価格8億円のマンションの場合、評価額が2億円以下に下がるため、固定資産税は年間280万円を下回ります。このクラスのマンションは一般的に年間1600万円以上の家賃収入が入るため、その80%以上を収益として生み出します。

小規模住宅用地の特例により、1戸当たり土地面積が200平方メートルを超えていても3分の1(更地と比較して約9分の2)に軽減されるため、土地を持っている場合、小さくても構わないのでアパートを建設しておく方がお得です。また、2階建て×3戸のアパートを建てるより、3階建て×2戸のマンションを建設する方が「新築住宅の税額の軽減措置」を適用する年数が長くなります。ただし、数十年前と比べて減少したもの、土地によっては2階建て以下の建物しか建てられない土地(第一種低層住居専用地域等)もありますから、その点を確認しておく方が良いでしょう。