マンション投資
(写真=PIXTA )

不動産投資が大いに注目されるようになっているが、中にはまだまだ最初の投資に踏み出せない人も多いようだ。そこでこの全6回の記事でマンション投資の第一歩を学んで欲しい。

<次回の記事>
マンション投資のメリットとデメリット【第2回】

マンションに限らず「不動産投資の種類」をおさらい

マンション投資を始める前には、必ず他の不動産投資についても理解しておく必要がある。特化しただけの情報や知識の集積だけでは不動産投資での成功は難しい。

一棟マンション投資

マンションを一棟丸ごとで所有し賃貸経営する投資である。投資金額も高くなるので億単位の物件を取り扱うことになる。しかし戸数によっては(20室以下の小規模)1億以下で購入できる物件もあるため、個人投資家の参入も増えてきている。数室経営は高い収益性が特徴である。

アパート投資

一棟所有することはマンションと同じだが、構造面や設備面でマンションよりも手軽な物件になる。10室前後、木造や鉄骨造が一般的でエレベーターもないため、マンション一棟よりもメンテナンス管理に費用がかからない。都市部でも5~6千万円の価格で買える物件が多く流通している。

戸建て投資

転勤などで一時的に住めなくなった持ち家を、法人の社宅貸しなどで賃貸に出す場合が多かった。だがここ数年は空き家増加問題の影響で手に入れやすい物件が増え、多くの投資家が戸建て賃貸を運営している。マンション投資と同じで一室が空室になると家賃がゼロになるのが難点だが、シェアハウスなどに活用できれば、収益性を高めることが可能である。

マンション投資

このシリーズでメインに取り上げていく投資方法。区分所有マンション(分譲)の一室を所有し賃貸に出し家賃収入を得る。一言にマンション投資といっても、ワンルーム、ファミリー、コンパクトタイプ、SOHO対応、都市部、地方等とその物件特徴は様々だ。手軽な資金で始められるワンルームタイプが注目されがちだが、しっかりと他のタイプとの違いを理解することが重要である。

その他の不動産投資

不動産を活用した投資方法はまだまだ他にもある。トランクルーム、コンテナ倉庫、事業物件のスペース賃貸、そして民泊など。これらの投資は先にあげた4つの王道タイプの変化形だと考えるとわかりやすい。まずは4つの基本的な物件の種類と特徴をきっちりと押えておこう。

エリア別にみるマンション価格の動向、価格の頭打ちとは?

これからマンション投資を始めたいと考えている人の殆どが今のマンション価格が「高いのか下がってきているのか」で迷っているようだ。市場の調査は物件の購入には重要なポイントになるので動向は捉えておきたい。
首都圏マンション平均価格 (出所:国土交通省データ)

ここ数年の都市部におけるマンションの価格はやはり上昇気味だと言える。この図では2015年度までの価格しか読み取れないが、2017年1月25日公表のマンション価格では全国平均で前年同月比6.9%の上昇とされている。

あくまでも平均価格なので、エリアや物件の規模によっては横ばいまたは下降気味の価格で取引されている場合もあり頭打ちとの見方もあるが、全体的な市場動向では上向きであると言える。

2017年に注目すべきキーワード

高めで推移しているマンションの価格市場で賃貸経営を成功させるには、ニーズの調査が重要である。マンション投資でもアイディア一つで収益性の高い物件として賃貸することが可能である。そんな物件を探すために2017年の注目すべきキーワードは次の3つだ。

1)多目的用途
急速な人口の減少はこれからもっと深刻化する。今は人の数より住居の数のほうが圧倒的に多い。住居以外の用途でも賃貸できるマンションなら強みになる。今注目されているスペース貸しやSOHOタイプの賃貸である。使用料なら定額の家賃より高めの収益が見込める。SOHOタイプで住と職を兼ね備える物件は、事業用と賃貸用との間で設定した家賃が取れる。注意すべき点は使用制限のある管理規約がないマンションを見つけ出す必要がある。

2)インバウンド
インバウンドと聞くと、「民泊」をイメージするのではないだろうか。しかし政府の指導や新規定等から現状では分譲マンションでの民泊経営を行うことが難しくなっている。このような状況では観光客に限らず長期的に日本を訪れる外国人もどんどん増加していることにも注目すべきだ。まだまだ「外国人お断り」の賃貸物件が大半である。きっちりとした在留資格を保持し合法的に日本に滞在する外国人を他の大家が受け入れないのであれば、それをチャンスととらえるべきである。外国人専門の不動産賃貸管理会社も登場しているので管理に不安を持つ必要もない。

3)オーナーチェンジ
入居者付で売りに出されている物件を「オーナーチェンジ」と呼ぶ。不動産投資の撤退者もいれば、資産組み換えのための売却物件が市場に出回りだしている。このような入居者付で買うことも初めての投資には「アリ」だと考える。但し、基本的に内覧が不可能なので売主が購入した際に撮影した内部の写真やリフォーム内容の詳細、家賃が未納になっていないかなどの確認は必須になる。

今後もアイデアを活用したマンション投資を行うには好条件が続くとみていいだろう。第2回はメリットとデメリットについて解説したい。(片岡美穂、行政書士・元土地家屋調査士)