「月時間100未満」、「年間の上限720時間」という残業時間規制が決定した。これには今まで規制適用外だった建築業、運輸業も含まれており、実施までの猶予期間で調整作業が続いている。また、両業界以外は猶予を認めないという方針が他業界に波紋が広がった。

建築業、運輸業も規制の対象に

働き方改革実現会議で議論されていた時間外労働(残業時間)の上限規制に関して、3月17日、最終案が発表になった。残業時間は「1カ月100時間未満」、1年間の上限「720時間」というもので、経団連(日本経済団体連合会)と連合(日本労働組合連合会)も受け入れを表明した。

時間外労働(残業時間)については現在は、原則として1か月45時間、年間360時間(時間外労働の限度に関する基準/平成10年労働書告示154号)になっている。しかし、この基準は工作物の建設等の事業(建設業)、自動車の運転の業務(運輸業)、新技術、新商品等の研究開発業務、厚生労働省労働基準局長が指定する事業または業務は適用除外されている。

これらの業種は業務の性格上、長時間労働がどうしても避けられないという理由で適用除外されてきた。しかし今回の改革では建設業と運輸業に関しても、上限規制を適用する方向で検討が進められている。ただ、今まで上限規制がなかった事業、業務に関しては、混乱を回避する意味で、実施までの猶予期間が設けられることになった。

新技術、新商品などの研究開発業務の場合は、企業競争力を確保する観点から適用除外になるようだ。ただし、健康管理の徹底が義務づけられる。

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