投資に興味はあるけど投資資金がない……、そんな方はまず「お金が貯まる家計作り」から始める必要がある。お金を貯める考え方は単純で、「収入を増やし、支出を減らす」を意識すれば良い。しかし、収入を増やすのは簡単ではないだろうから、まずはコストカットから考えたい。

家計をスリム化する方法として最近注目されているのが、私的年金の準備をしながら節税もできるiDeCo(イデコ)やスマホ代の通信費削減に繋がる格安スマホ、そして今回ご紹介したいふるさと納税だ。

年々人気が高まる「ふるさと納税」 返礼品金額に抑制か?

ふるさと納税,お得
(写真=PIXTA)

自分や家族が生まれ育った故郷や、過去に住んでいたことのある思い出の地に、自分の意思で納税できる制度が「ふるさと納税」だ。

ふるさと納税では、自治体独自の取り組みとして、肉や魚といったその土地の豪華特産品等が返礼品として用意されている。ふるさと納税制度が2008年に開始されて以降、寄付を行うことでこれら返戻品を受け取れることから人気が高まっている。

しかし、ふるさと納税の人気の高まりとともに、「たくさんの人から寄付を受けたい」と考える自治体による返礼品の高額化が過熱。例えばiPad等といったその土地に関係のない品物や、商品券といった金券等が登場し始めた。そのため、総務省が2017年4月1日付けで、全国の自治体に対し返礼品(特産品)の調達価格を寄付額の3割以下に抑えるよう通達を出す事態になっている。

ふるさと納税の仕組み

そもそもふるさと納税とは、納税という名前ではあるが、実際には都道府県や市区町村へ寄附を行う制度のことだ。原則、寄付をした金額のうち2000円を超える金額について、所得税と住民税から全額が控除される。ただし、控除される金額は収入や家族構成等によって異なる他、上限も設けられている。

ふるさと納税の控除額、還付の算出法は以下の通りだ。(住民税については基本分のみ)
①所得税から控除する場合 (ふるさと納税額-2000円)×所得税率で求めた金額が還付
②住民税から控除する場合 (ふるさと納税額-1000円)×10%で求めた金額が還付

一般的に、国や地方公共団体、特定公益増進法人等に対し「特定寄附金」を行った場合には、所得控除を受けることができる。これを寄附金控除といい、確定申告を行うことで控除を受けられる。なお、確定申告書を行う際には、領収書等寄付をしたことを証明する書類を確定申告書に添付または提示しなければならないので、証明書は必ず保存しておこう。

寄付金控除の金額は以下の通りだ。

寄付金控除額=(①その年に支出した特定寄付金の額の合計額、もしくは、②その年の総所得金額等の40%相当額)-2000円

ふるさと納税は寄付金控除の仕組みが利用されているため、ふるさと納税を行って寄付金控除を受ける場合、基本的には寄付をした翌年に確定申告を行わなければならない。所得税の場合は確定申告を行うことで還付を受けられる。しかし、住民税の場合には5~6月頃に住民税が決定される。会社員の場合には勤務先から住民税が決定した通知書を受け取るため、その際に「税額控除額」を確認することでどの程度控除されたのか結果を確認することができる。還付される寄付が振り込まれるわけではないので注意したい。

なお、2015年4月1日以降、確定申告が不要な給与所得者等で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税を行った各自治体に申請することで確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まった。この場合、所得税からの控除が行われず、その分も含めた控除額の全額が翌年度の住民税から控除される。「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まったことで確定申告の手間がなくなり、ふるさと納税が手軽になり、普及が進んだとも言える。

ふるさと納税の「おトク度」の見極め方

ふるさと納税を行う場合、どの程度その寄付がお得なのか気になる人も多いことだろう。ふるさと納税を投資資金から考えた場合のお得度という視点から考えてみたい。

クレジットカードを利用した際、利用した金額に対してポイント等がつくのが一般的だ。ポイントが還元される率のことを還元率という。ふるさと納税には還元率という考え方がある。ふるさと納税の場合は、寄付した金額に対して、いくらくらいの金額の返礼品が受け取れるのかで還元率を求める。還元率は、(返礼品のおおよその金額÷寄付金額)×100で求められる。

例えば、和牛サーロインステーキのセットが2万円のふるさと納税を行ったとしよう。スーパーに行って、同程度の和牛サーロインステーキのセットを購入する場合の金額を確認するわけだが、まずは5000円で販売されている場合で考えてみよう。5000円の支払いに対して20000円の寄付になるので、(5000÷20000)×100で還元率は25%になる。和牛サーロインステーキのセットが1万円で販売されている場合には、(10000÷20000)×100で還元率は50%になる。

このように返礼品と寄付金額から計算するわけだが、還元率が高い方が返礼品としてお得という風に考えられる。しかし、そもそもふるさと納税では上限を超えなければ2000円の負担で済むわけだから、お得であることには変わりはない。考え方としては、株式投資における株主優待に似ていると言えるだろう。

商品券等の金券や、その土地に関係のない品物等が返礼品として登場し始めたことで、ふるさと納税の返礼品に対する政府の目は厳しくなっている。しかし、寄付をする側から見れば、寄付がその土地を知るきっかけにもなっている。さらには、自らの意思で手軽に行えるふるさと納税制度のおかげで、日本でも寄付という文化が着実に定着し始めている。節度ある返礼品で、さらなるふるさと納税の普及に期待したい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

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