PayPalがサブプライム・クレジット事業(優良層以下の消費者向け融資)の縮小を検討していることが、米アメリカン・バンカー紙の報道から明らかになった。

信用力の低い低所得者による借り入れ率が年々増しており、2019年には過半数に達すると予測されていることから、ポートフォリオの売却検討などで「万が一のリスク」を最低限に抑える意図がうかがえる。

純貸し倒れ償却率、返済滞納率も上昇

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2008年の金融危機で市場が混乱する中、サブプライム・ローン市場に参入したPayPal。人気クレカ商品「PayPal Credit」だけでも、2013年から現在までに5億7500万ドル(約636億1225万円)を上回る利益を得ていると推測されている。PayPalの総収益の6%から7%を占める

審査がゆるい代わりに高金利なことで知られるサブプライム融資だが、その特徴ゆえに需要も高い。「PayPal Credit」のウェブサイトによると、現在の実質年率は17.90%。150ユーロ(約1万7669円)以上の商品の購入には4カ月間利息0%という、消費者に優しいサービスを提供している。

「PayPal Credit」の利用者は大手のクレカが利用できないパターンが多く、当然ながら債務不履行のリスクも上昇。米電子委託取引企業、インスティネットは、クレジットスコア(消費者の返済能力を1000ポイント制で測定したもの)が680ポイント以下の消費者による借り入れが2013年には45%だったのに対し、2019年には54%まで膨張すると分析している。

純貸し倒れ償却率も2016年末には6.4%と過去1年で0.5ポイント増、返済期限を90日以上経過した延滞率も0.2ポイント増の3.9%となっている。

インスティネットはPayPalの融資事業のリスクが高い理由として、利用範囲の限定を挙げている。VISAやマスターカードといった大手のクレカの場合、消費者は生活費(家賃・光熱費・食料品など)の支払いをカードに上乗せするかたちで返済を行えるが、PayPalではそうは行かない。生活費を優先せざるを得ない消費者は、必然的にPayPalへの返済を滞納することになる。

リスクを早期把握し対策を投じるという意味で、PayPalが融資事業の縮小に傾くのは賢明な動きといえるだろう。(ZUU online 編集部)

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