今回は大手金融機関のリサーチ・アナリストや新規カバレッジを開始する注目銘柄や買い継続の銘柄中心に見ていきます。




マーケット動向の変化!?

今回の記事では中古型株を中心に取り上げています。また、大手金融機関がアップデートする銘柄情報も中古型株の割合が多くなっています。
これは投資家の資金が大型株から中古型株にシフトしていることが考えられます。

その要因としては
①昨年からのアベノミクス効果により、割安値がついていた大型株の株価がファンダメンタルに基づく水準まで回復していること
②米国経済の回復が未だ鮮明ではなく、円安も一巡し、外部環境の好転が当面見込めないことが挙げられます。

そのため、投資家は高い利回りを求めて、ファンダメンタル的に割安値がついている中古型株への投資比重を挙げています。

実際に中古型株の指数は年初来初値を更新するなど株価が上昇しています。
大手金融機関も活発に中古型株の新規カバレッジも始めています。

今回はそのような中古型の銘柄を中心に注目度の高い銘柄をピックアップして紹介していきたいと思います。




オービック(4684)


大手金融機関野村證券によると、オービックのレーティングは「Buy」を継続しています。
オービックが24日発表した2014年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比17%増の42億円でした。4~6月期では2年連続で過去最高益を更新。企業向けに会計・財務や生産情報などを管理する統合基幹業務システム(ERP)の販売が伸びたことが要因となっています。

売上高は6%増の130億円で、主力のERP「オービック7」シリーズが大企業向けに好調だった。パソコンの買い替え需要が4月以降も高水準だったことも収益を押し上げました。15年3月期通期の見通しは従来予想を据え置いています。
これにより、野村證券は「Buy」のレーティングをつけています。




クラリオン(6796)


大手金融機関三菱UFJMSが新たにカバレッジを開始し、レーティングは「OP」をつけています。
目標株価を500円と設定しています。クラリオン(6796)は日立グループの日本の車載音響機器メーカーです。
同機関によると、クラリオン(6796)はカーエレ業界内での将来期待は随一と評価しています。車載機器のシステム化や運転支援など走行機能分野での技術革新への対応で先行している点に加え、日立グループということから日立と連携できる点もポジティブに評価しています。
その中でもカメラシステムは自動車の安全対策強化により需要拡大が加速すると予想しています。




ミネベア(6479)


大手金融機関のJPモルガンのリサーチ・アナリストによると同社のレーティングは「Over」となっています。
ミネベア(6479)はオフィスや家庭で使用される情報通信機器や電化製品、自動車などに用いられる精密部品を扱うメーカーです。具体的にはベアリングと呼ばれる、回転や往復運動する相手部品に接して荷重を受け、軸などを支持する部品などを生産しています。

これは4-6月期営業利益が前年同期約3倍の100億円強になったもようと観測報道が伝わっていることによります。同決算期としては7年ぶりの最高益となるようです。
会社側想定を大きく上回ったと見られていますが、これは自動車用ベアリングなどの好調が背景となっているようです。


レオパレス21(8848)

大手金融機関の三菱UFJMSでは投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を650円としています。
法人需要による賃貸事業の回復持続に加え、アパートなどの請負も相続増税も加わって本格回復が期待できると考えているようです。
16年3月期は3割以上の増益を予想しているのに加え、復配などの株主還元政策も期待出来ると予想しています。
相続税に関しては、平成27年1月1日から相続税を改正するため、この前に駆け込み需要が期待出来るのでは、と同機関のアナリストは予想しています。




イオンディライト(9787)


三菱UFJMS    新規OP    新規2750円

三菱UFJMSがイオンディライト (9787)の投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を2750円に設定しています。

イオンディライトはイオングループのショッピングセンターなどの設備・清掃・警備のトータルメンテナンスを行っている会社です。
同機関によると、ショッピングセンターなど施設管理の国内最大手である同社は、売上高の7割弱を占めるイオングループのアジア展開などにより、安定成長が期待できると報告しています。

また、15年2月期の連結営業利益を前期比5.9%増の160億円(会社計画も同じ)、続く16年2月期は185億円と最高益更新が続くと予想しています。


サイバーダイン(7779)


大手金融機関のSMBC日興証券が新たにサイバーダイン(7779)をカバレッジし、「1(買い)」というレーテイングをつけ、目標株価は16000円と設定しています。
サイバーダイン(7779)は以前、このZUU ONLINEでも取り上げましたが、医療用ロボットHALを中心にロボットの開発・販売・リースを行う筑波大学発のベンチャー企業です。
今年度は川崎市との提携が決まったり、ヨーロッパでの売上が多く見込めそうなこともあり、株価は上昇を続けています。

このような成長途上のベンチャー企業を新たに大手金融機関がカバレッジするというのは、それだけ注目度が高いためです。
また、リサーチ・アナリストによる詳細な分析により、それらの金融機関で売買を行う機関投資家に対してもポジティブな意味合いを持つことが多く、機関投資家による組入も増えていきそうです。
まだまだ目の離せない注目銘柄であることは間違いなさそうです。




今後のマーケットの動向は!?


①今後はまだ米国の経済が回復トレンドにあるかどうか見極める必要があること
②ウクライナやガザ地区での地政学リスクの懸念
から大型株の取引はやや控えめになると予想されます。

その中で、一定の投資利回りを上げなければならないファンドなどを中心に中古型株への資金流入が続いていくと考えられます。

従って、中古型株の値動きもしっかりと見ていく必要があります。
その際、大手金融機関が新規カバレッジをした、買いのレーティングをつけた、などの情報は敏感にチェックしましょう。

大手金融機関は機関投資家向けにレポートを発行するのがメインのため、それらの機関が良いレーティングをつけたとなると、投資額の大きい機関投資家もポジティブに反応することが考えられます。
そうなると元々取引額の小さい中古型株の株価は高いボラティリティをつけて変動していくと考えられます。