世界72カ国・地域の15歳の生徒54万人を対象にした調査から、日本の15歳の生徒の幸福度が、OECD加盟国およびパートナーシップ国47カ国・地域中、42位であることなどが判明した。幸福度は6.8ポイント(10ポイントが最高)と、OECD加盟国の平均である7.3ポイントを大きく下回る。

レポートからは「幸福度を左右するのは、学力ではなく学校のサポート体制」であるほか、「親子間のコミュニケーション」や「教育環境」であることなども明らかになっている。

発展途上の生徒のほうが幸福度は高い?

ほとんどの国・地域で、学力の高い生徒(テスト結果の上位10%)と低い生徒(下位10%)の幸福度に大差は見られない。また学習に費やす時間の差などによる影響も、皆無にひとしい。

一方、教師によるサポートを十分に受けている生徒は日常生活における幸福度が平均より高く、十分なサポートを受けていない生徒は幸福度が低めであることが判明している。

「幸福度ランキング」見てみると、上位国・地域は学力レベルで遅れをとっているとされる発展途上国が圧倒的に多い。学力レベルが発展しているはずの先進国は、教育水準では最高峰とされるスイスですら10位以内にはいっていない。

米国、ドイツ、スペインなどはOECD平均をぎりぎりで上回る7.4ポイント、英国は7ポイント。日本、イタリアなどは軒並み7ポイントを下回っている。

このことから学校生活で生徒の幸福度に影響をおよぼす要因は学力ではなく、学校側の支援体制や環境の充実度であることがわかる。

親と会話するが、サポート面でのコミュニケーションが不十分