GWを前にして、日頃はなかなか読めない本を読もうかと考えている読者も多い事だろう。ITコンサルタントという立場から、今回はプログラミングに関連した入門書を3冊紹介しよう(価格は紙版、税込み)。

外資系金融機関を経てNPO立ち上げた著者による名著

書評
(画像=Webサイトより)

『外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方』
(慎泰俊著、東洋経済新報社、1944円)

Microsoft Excelは、オフィスでPCを使っている以上は必ず、誰でも触ったことがあるプログラムの一つと言える。そのExcelを駆使すると「神Excel」と呼ばれるレイアウトのワークシートさえ作れる。しかし「神Excel」のデータが全く流用できなくなる、などの問題も出ている。

そのような日本特有の「神Excel」が、国際的な舞台ではまったく通用しないということを紹介すると共に、著者がモルガン・スタンレー・キャピタルで用いてきた手法を用いることにより、どのようにExcelを使った表を見せれば国際的に通用するのかを紹介している。

罫線を多用した表は、日本でも海外でも通用し、もちろん見やすい表が受け入れられやすく、そこに示してある内容も受け入れられやすいのは万国共通である。しかし求められる表現は、日本と海外とでは全く違うものであると解説している。

後半では、著者の経験から来る財務モデルの組み方を紹介している。ただし財務分析のモデルは、業種や部署によって大きく変わる部分もあるため、考え方の参考にするという所までにとどめて捉える方が良いだろう。

実際に本書を見てみると、その手法というものに目新しいものはあまり無く、驚くような内容とは言い難い。しかし全くそれらの手法を知らない人には斬新な内容であり、ショートカットキーを多用して作業効率を極限まで高めるということを目的にしている紹介内容には、なるほどと思わせる部分も多い。

ソースコードの部分は読み飛ばしても面白く読める