中小企業専門の唯一の政府系金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)が9日、度重なる不正融資が理由で経済産業省など3省庁から業務改善命令を言い渡された。

世耕経産相は同日の記者会見で、「役員の減給処分だけで済む話ではない」と述べ、全容解明は言うまでもなく、直接関わった担当者の処分や経営陣の責任の明確化、組織体制の抜本的見直しを求めるとした。改善命令は行政処分の一種であり、商工中金への処分は1936年の設立後で初めて。

不正融資200億円と第三者委員会が報告

不祥事,業務改善命令,商工中金
(写真=ProStockStudio/Shutterstock.com)

報道によると、不正融資は2015年10月発覚し、12月に設置された第三者委員会が調査してきた。第三者委員会は4月25日、調査結果を発表した。融資業績を伸ばすため「危機対応融資」制度に基づき、低利融資要件に合うように、業績悪化などの手法で、取引先の財務諸表の売上高や純利益を書き換えたりした。

不正融資は2008年以降、92支店中35支店816件に上り、不正な融資額は198億円、利子補給は1.3億円に上る。取引先760口座の資料が改ざんされ、うち348口座は、制度の条件を満たしていなかった。第三者委はしかし、「経営陣による直接的な隠蔽の指示はなかった」とも結論づけている。

経産省と財務省はその時点で、商工中金に再発防止策の実施を指示。安達健祐社長らは会見で、役員報酬の一部を自主返納すると発表した。また関係した元役員についても一部返納を求めるほか、不正にかかわった職員を厳正に処分するとしていた。

6月9日までに業務改善計画策定指示