大和証券グループ本社 <8601> は70歳を上限としてきた営業職の再雇用について、年齢制限を撤廃する方針を明らかにした。ファンケル <4921> も4月1日より同様の制度を導入している。政府が「生涯現役社会」の旗を振る中、企業もそれに応える動きを加速させている。

引退は65歳から更に先へ

再雇用,大和証券
(写真=PIXTA)

大和証券グループ本社は再雇用の年齢制限撤廃を今夏にも行う予定である。ファンケルも4月1日より「アクティブシニア社員就業規則」と名付けた制度を導入し、再雇用の年齢制限の撤廃を行った。両社の制度とも健康状態に問題が無い事や日々の仕事ぶりが問題無い事が条件となる。

再雇用の年齢制限撤廃を既に行っている企業もある。サトーホールディングス <6287> では2011年4月から、大和ハウス工業 <1925> では2015年4月から実施されている。大企業での導入はまだ少ないものの、高齢者雇用に対する企業の考え方は変化しつつある。

政府は「将来現役社会」の旗を振っており、これらの企業の取り組みはそれに呼応した動きとなる。現在の高齢者雇用安定法では、60歳定年の場合、希望者が65歳まで継続雇用される事を企業の義務としている。しかし、企業の動きはその先を行く。再雇用の年齢制限撤廃に踏み切る企業はまだ少数だが、65歳からの年齢制限の引き上げを行う会社は多い。

政府は年金支給年齢の引き上げの検討や高齢者の定義を70歳以上とする旨の提言を行っており、就業を希望する高齢者も今後増加していくと見られる。

労働力人口の減少も高齢者雇用を加速させる