地方自治体の子育て支援サービスは、一定の年齢まで子どもの医療費が無料になるなど充実しています。サービスは各地方自治体によって独自に決められているため、共通部分が多くても厳密には異なるものです。今回は、東京23区の子ども医療費支援について紹介します。

東京23区の子ども医療費支援とは

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(写真=stockcreations/Shutterstock.com)

東京23区はそれぞれの区によって住民サービスを実施していることから、内容については違いがあります。他の都道府県の場合、市町村単位という区切りが多くなっていますが、23区の場合は区単位となります。

一方、東京都レベルで医療費支援が充実している「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」や「義務教育就学児医療費の助成(マル子)」があり、これは各区において共通しています。これらの医療費支援と区単位の医療費支援について以下に詳しく記載します。

乳幼児医療費助成制度(マル乳)

乳幼児医療費助成制度は、都内各区市町村に住所がある乳幼児を対象とした医療費助成制度です。満6歳に達した以後の最初の3月31日までこの制度が適用され、医療費や薬剤費の自己負担分が助成されます。通常の通院だけでなく、入院についても助成の対象となります。助成を受けるにあたっては、医療機関を受診する際に、健康保険証とマル乳医療証を提示することが必要です。

乳幼児医療費助成制度はすべての子どもに適用されるわけではありません。国民健康保険などの各種医療保険に加入していない場合や生活保護を受けている場合、施設等に措置入所している場合は対象から除外されます。

また、健康診断や予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した場合に徴収される初診料等は対象外です。他の公費医療で助成されるものについても対象外となります。

交通事故などに遭った場合、第三者によって起こされたものでも、原則としてこの制度を利用することが可能です。この場合は、後に地方自治体から加害者である第三者へ求償等を行うケースもみられます。

義務教育就学児医療費の助成(マル子)

義務教育就学児医療費は、都内各区市町村に住所を有する義務教育就学時にある子どもを対象に入院費や医療機関への通院費を助成する制度です。保険を扱う医療機関を受診する際に、健康保険証とマル子医療証を提示しなければいけません。

● 入院の場合
各自治体により異なりますが、原則として入院時食事療養標準負担額、つまり入院時の給食費を除いた、自己負担額が助成されます。

● 通院の場合
通院1回につき200円を上限額とし、これを控除した金額が助成されることになります。たとえば、風邪を引いて小児科を受診したときに1,500円治療費がかかったとしても、200円支払えばよいということになります。残りの1,300円は地方自治体により助成されます。

対象外となる事項に関しては、乳幼児医療費助成制度とほとんど変わりません。学校管理下でケガなどをした場合、災害共済給付制度の対象となっている場合も対象外となります。交通事故の場合も乳幼児医療費助成制度と同様になります。

※マル乳・マル子医療証の取得については各区役所での交付申請が必要になります。

高校生等医療費助成制度があるところも

マル子である義務教育就学児医療費の助成が終了すると、医療費の助成を受けることができなくなりますが、高校生にも医療費の助成を行っている区もあります。たとえば、千代田区は「高校生等医療費助成制度」を設けており、高校生相当の年齢にあたる子どもも医療費の助成を受けることができます。なお、入院の場合も適用されます。

引越しを検討するときには医療費支援の充実度も参考に

医療費支援など、子どもに対する行政の支援は自治体ごとに異なります。また、その他の、行政サービスも自治体によって異なるものがあります。引越し先を決める際に、子どもに対する医療費支援など自治体サービスから検討するのもいいかもしれません。(提供: 保険見直しonline

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