Appleが注目している技術のひとつが、「睡眠分析技術」だ。最先端のテクノロジーを活用し、人間が生きていく上で欠かすことのできない睡眠の質を向上させることで、総体的な健康促進を狙う技術である。
Appleはスクリーンのブルーライトを減らすことでユーザーに就寝時間を知らせ、睡眠パターンを記録する「ナイトシフト 」などのiOS 10用ツールを開発し、近年急激に活発化しているヘルステック市場へ参入している。
規則正しい睡眠習慣を促進する「ナイトシフト」
高齢化や健康志向の盛りあがりにいち早く着目したAppleは、「アクティビティ」「栄養」「マインドフルネス」「睡眠」を主要テーマに、様々なヘルス・アプリの開発に取り組んでいる。Apple Watchによるヘルスケアもその一環だ。
健康的な生活の基盤となる睡眠だが、CDC(米国疾病予防管理センター)の調査によると、米国だけでも3人に1人が睡眠不足 、5000万人から7000万人が何らかの睡眠障害に苦しんでいるという。そこで「睡眠ポリソムノグラフィー検査」と呼ばれる診断法などを用いて、睡眠時無呼吸症候群を含む広範囲な睡眠障害対策の開発が、先進国を中心に進められている。
Appleの「ナイトシフト」は、規則正しい睡眠習慣を促進する意図で開発された。時計アプリに組みこまれており、目標の就寝時間と起床時間を設定しておけば、就寝時間が近づくにつれてモニターの明るさを調節し、睡眠に悪影響があるといわれるブルーライトを軽減。
ユーザーは自分の睡眠パターンをモニターで確認することも可能だ。収集されたデータはサードパーティーの睡眠アプリとともに、ヘルスケアに集約される。Android Nも同様のアプリ「ナイトモード」を搭載している。