日本損害保険協会は5月9日に発表した、2016年度に発生した地震災害及び大規模火災にかかる保険金支払状況のデータで、2016年4月14日に発生した平成28年熊本地震の保険金支払額は3700億円を超え、地震による保険金の支払額では阪神淡路大震災を抜き、東日本大震災に次ぐ歴代2位の規模だったことが分かった。
阪神淡路大震災の5倍に迫る保険金支払
同地震による保険金支払額は3月31日時点で3773億円。事故受付件数は27万6千件に上り、その99%以上で調査は完了している。支払件数は24万7000件となっている。
2016年10月21日の平成28年鳥取県中部地震では48億円、2016年12月22日の新潟県糸魚川市における大規模火災では13億円の保険金が3月31日時点で支払われている事も併せて公表されている。
熊本地震の被害の大きさを改めて実感させられるデータとなっている。日本損害保険協会の資料によると、熊本地震での保険金支払額は1995年の阪神淡路大震災の783億円を大きく抜き、歴代2位の規模である。歴代1位の支払額は2011年の東日本大震災で1兆3113億円となっている。
内閣府の発表によると、熊本地震は161名の犠牲者を出し、8369棟の全壊を含め19万棟に上る建物に被害を与えた。これらの被害状況を考えれば、保険金支払額が大きくなるのも頷けるが、もう一つ別の理由も浮かび上がる。