ダイエー子会社オレンジフードコートが「ドムドムハンバーガー」の事業を売却する事が明らかになった。売却先は神奈川県厚木市に本社を置き、不動産事業を行うレンブラントホールディングスなどとなる。「ドムドムハンバーガー」の名前は残り、運営会社を変えての再スタートとなる。

日本発、日本最古のハンバーガーチェーン

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(写真=PIXTA)

「ドムドムハンバーガー」は1970年に町田市で1号店を出店した。「マクドナルド」は1971年、「モスバーガー」は1972年の開業であり、日本初のハンバーガーチェーンという事になる。元々は米マクドナルドの日本進出を画策していたダイエーであるが、出資比率等でもめ、交渉が破談となった。ダイエーは国内でのハンバーガー事業を諦めず、自前で作り上げたハンバーガーチェーンが「ドムドムハンバーガー」である。

ダイエーの店舗内を中心に出店を続けてきた「ドムドムハンバーガー」は最盛期の1997年には全国で355店舗を構えていた。しかしその後、売り上げの伸び悩みや親会社であるダイエーの経営不振もあり、縮小を余儀なくされてきた。現在の店舗数は55店舗にまで縮小している。

事業譲渡後は新規出店も計画

そんな状況の「ドムドムハンバーガー」の経営に手を挙げたのが、レンブラントホールディングスである。同社は神奈川県厚木市に本社を置き、ホテルやゴルフ場の経営等、不動産事業を営む。2017年度の連結売上高は130億円である。

レンブラントホールディングスは新生銀行 <8303> とタッグを組む。それぞれの投資会社通じて出資を行い、ドムドムフードサービスを4月に設立した。そこにオレンジフードコートから事業譲渡を受ける形となる。譲渡の実行は7月を予定している。「ドムドムハンバーガー」の名称は残し、経営の立て直しを図る。尚、ロゴマーク等は変更を予定している。

譲渡されるのは現在ある55店舗の内、36店舗となる。残る店舗はクレープ店への転換や閉店を行う予定であり、「ドムドムハンバーガー」の店舗数は更に減る事となる。しかし、事業譲渡後は新規出店も計画されている。18年3月期の2店舗を皮切りに、21年3月期までに19店舗の出店が計画されている。21年3月期には現在の店舗数に再び戻る計画となっている。

「ドムドムハンバーガー」は日本発のハンバーガーチェーンである事に加え、比較的安価で商品提供を行ってきた事や、ダイエー内のような生活圏に店舗を構えてきた事もあり、根強いファンが多い。近年閉店が相次いでいたが、インターネット上では慣れ親しんだ店舗の閉店を嘆く声や事業撤退してしまうのではないかという不安の声も多く出ていた。ダイエーが経営していた過去もある「ウェンディーズハンバーガー」が2009年に日本から撤退した事も不安を煽る要因となっていた。

今回の売却報道で、「ドムドムハンバーガー」がなくならないという事実に一先ず安堵したファンもいるはずだ。今後は経営の立て直しも非常に重要であるが、懐かしの味や雰囲気を残してほしいというのもファンの願いであろう。(ZUU online編集部)

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