大きな利益の獲得を目指し、多くの人が株式市場に参入してきます。そのアプローチの方法も様々で、数千以上ものトレード技術があるとも言われています。

では、その中のどれを信じてトレードすれば良いのか?

いろいろと目移りするするとは思いますが、勝ち続けるためには小手先のテクニックに走るのではなく、値動きを読むテクニックを身に付ける必要があります。重要なので繰り返します。安易な手法に振り回されるのではなく、値動きを読むテクニックを身に付けるのです。

簡単に利益が出せるようなことを謳っている情報に、あれやこれやと飛び付かないようにしましょう。意味ないですし、時間の無駄です。何故そんなことが言えるのかって?私も以前にあらゆるものに手を出していましたからよく知っています。

(本記事は、尾崎式史氏の著書『株で1億円! このエントリーチャンスを狙い撃て!!』ぱる出版(2016/7/29)の中から一部を抜粋・編集しています)

新チャート分析の三種の神器

東証マザーズ指数先物
(写真=PIXTA)

では、どうやって値動きを読むテクニック、すなわちチャート分析を身に付けるかと言いますと、基本的に、日足チャートを移動平均線、ローソク足、出来高と言う3つのツールを使って分析します。この3つの分析ツールを「新チャート分析の三種の神器」と位置付けます。

ピンと来なくても問題ないです。よりシンプルと言う観点からちょっと変更を加えただけですので、本質的なことは何ら変更はございません。基本を頭に叩き込んだ後は、地道に練習を繰り返すだけです。そのうち値動きが読めるのを実感出来るようになりますから。今日から、チャートを見る際には、この3つのツールをしっかりと意識してくださいね。

これ以外にもテクニカル指標はたくさんありますが、ほとんど使わないです。確かに、相場の状況によっては使えるものもあります。その時には、そのテクニカル指標を使って値動きを読みます。通常は確認程度と言うか、補助的にしか使わないです。

多くの人が利用する日足チャート。でも、解釈の仕方は人ぞれぞれです。同じものを見て投資判断をしているのですが、投資結果は大きく異なります。どうせなら、常に勝っている側に立ちたいですね。そのために、しっかりと「新チャート分析の三種の神器」を使いこなしましょう。

チャート分析の三種の神器

では、チャートについて解説しておきます。上の <1803> 清水建設の日足チャートを見てください。

チャート分析においては、初心者の方はこの形式を使うのが一番良いと思います。もちろん、個人的な趣味も入りますので、適当にアレンジしてください。チャート内の移動平均線は、5日移動平均線と25日移動平均線です。下の棒グラフは出来高です。この日足チャートを移動平均線、ローソク足、出来高と言う3つのツールを使って分析していきます。

では、具体的内容に入っていきましょう。

『株で1億円! このエントリーチャンスを狙い撃て!!』ぱる出版(2016/7/29)画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
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エントリーは「くいっとチャート」&「がっくりチャート」を狙い撃ち

株式投資の真髄は、エントリーのタイミングであるとするなら、そのタイミングを計るのに何を使えば良いのでしょう? RSI、RCI、一目均衡表、ボリンジャーバンド、MACD、ストキャスティクスなどさまざまな種類のテクニカル指標がありますが、残念なことに絶対唯一の指標と言うのはありません。

たくさんあるテクニカル指標の中、単独でもかなり使える指標があります。それが移動平均線なのです。移動平均線でも5日移動平均線なのか、10日移動平均線なのか、75日移動平均線なのか、いろんな期間の取り方がありますが、本書では5日移動平均線を使います。

移動平均線分析は入門者・初心者でも利用でき、しかも明確に判断できます。これを使わない手はありません。特に5日移動平均線でエントリーのタイミングを取れば、時には大きなトレンドに初動から乗ることができます。これが出来れば、かなり大きな利益が得られます。そうすると、今までの小さなロスカット分の損失なんかを一発で吹き飛ばしてくれます。

くいっとチャート

では、5日移動平均線を使って、エントリーポイントとなる「くいっとチャート&がっくりチャート」を読みとる方法を説明します。

くいっとチャートとは? 絶好のエントリーポイント

まずは、「くいっとチャート」から解説します。

下を向いている5日移動平均線の傾きが段々と緩やかになり、やがて水平になってきます。そして、陽線が立ち、5日移動平均線が"くいっ"と上向きになったとき、このときこそ絶好のエントリーポイントとなります。このようなチャートを、「くいっとチャート」と呼びます。

まずは、この「くいっとチャート」をしっかりと頭に叩き込んでください。実践で使えば使うほど、この「くいっとチャート」の有効性に気が付きます。ちなみに、最も理想的な「くいっとチャート」は、5日移動平均線が"くいっ"と上向いた状態で、しかも5日移動平均線から株価が伸びて陽線が立っている上記のようなチャートパターンです。

では、実際の「くいっとチャート」を見てみましょう。

くいっとチャート2

<6857> アドバンテストの日足チャートです。チャート内には、5日移動平均線以外にも25日移動平均線、チャートの下部には出来高も描かれています。

くいっとチャート3

チャートの右端のローソク足を見てください。きれいな陽線が立っています。しかも、その陽線は5日移動平均線から伸びており、5日移動平均線も「くいっとチャート」になっています。絶好のエントリーチャンスです。

ただし、この「くいっとチャート」を実践で使っていけば、判断に迷う場面も出てきます。どんな場面かと言いますと、5日移動平均線が上向きになったんだけど陰線が出ている、上向きの5日移動平均線を跨いで陽線もしくは陰線が出ている、5日移動平均線が上向きになったんだけどそこからかなり大きな陽線が出ている、と言うエントリーすべきかどうか迷う局面が出てきます。

このような局面でどう対処したら良いのかはケースバイケースですが、最初のうちは、迷ったら見送りましょう。重要なのは、この後にどんな動きになったのかをじっくりと観察することです。慣れてくれば、どう対処すべきかが自ずと分かってきますから。

実践では、自分が監視をしている銘柄がきれいなチャートパターンとなれば問題ないのですが、そうならない時もあります。そのような時には、きれいなチャートをしている銘柄を探すことも必要です。

がっくりチャートとは? 空売りを仕掛ける絶好のエントリーポイント

次は、「がっくりチャート」について解説します。

がっくりチャート

上を向いている5日移動平均線の傾きが段々と緩やかになり、やがて水平になってきます。そして、陰線が立ち、5日移動平均線が"がっくり"と下向きになったとき、このときこそ絶好のエグジットポイントとなります。このようなチャートを、「がっくりチャート」と呼びます。

考え方としては、「くいっとチャート」の正反対です。この「がっくりチャート」は、空売りを仕掛ける絶好のエントリーポイントにもなります。

この「がっくりチャート」もしっかりと頭に叩き込んでください。実践で使えば使うほど、この「がっくりチャート」の有効性に気が付きます。ちなみに、最も理想的な「がっくりチャート」は、5日移動平均線ががっくりと下向いた状態で、しかも5日移動平均線から株価が落ちて、5日移動平均線にぶら下がっていがっくりチャート5日移動平均線がっくりと下向きになった時が絶好の売りタイミング株価が進んでいく方向を5日移動平均線が指し示しているローソク足る陰線が出た上記のようなチャートパターンです。

がっくりチャート2

では、実際の「がっくりチャート」を見ていきましょう。同じく6857アドバンテストの日足チャートです。チャート内には、5日移動平均線以外に25日移動平均線、チャートの下部には出来高も描かれています。

がっくりチャート3

こちらも理想的な「がっくりチャート」が登場しました。5日移動平均線ががっくりと下を向いた状態で、しかも5日移動平均線から株価が落ちて、5日移動平均線にぶら下がっている陰線が出たチャートパターンです。ここで売りを仕掛けなければ、どこで仕掛けるのかと言うチャートですね。まさしく、教科書的な値動きとなっています。

「くいっとチャート」と同様に、この「がっくりチャート」も実践で使っていけば、判断に迷う場面も出てきます。どんな場面かと言いますと、5日移動平均線が下向きになったんだけど陽線が出ている、下向きの5日移動平均線を跨いで陽線もしくは陰線が出ている、下向きの5日移動平均線からかなり大きな陰線が出ている、と言うエントリーすべきかどうか迷う局面が出てきます。

これも「くいっとチャート」と同様に、ある程度経験を積めば、どう対処すべきかが自ずと分かってきますので、それまでは迷ったら見送りましょう。

尾崎式史(おざき・のりふみ)
株式会社トレードライフコンサルティング代表取締役。

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