ソーシャルレンディングの仕組み
ソーシャルレンディングは「お金を運用したい個人」と「資金を必要とする企業※1」を結びつける仕組みです。
サービス事業者はインターネットを活用し、個人から小口の資金を集め、その資金を原資として、企業に貸付けを行います。そのため、ソーシャルレンディングは、貸付け型クラウドファンディングと呼ばれることもあります。
融資ですので、お金を借りた企業は当然返済をしなければなりません。毎月の返済時に、あらかじめ決められていた利率の利息を上乗せして返済を行います。(毎月、利息だけを払って最後に一括で元本を返済する場合もあります。)
この上乗せされた利息を個人投資家と事業者が分け合うことで、投資家は資産をふやすことができ、事業者は利益を得ることができるのです。
※1 かつては個人への融資を行っていたサービスもありましたが、多くのデフォルト(貸倒れ)が発生したため、現在、国内のソーシャルレンディング事業者は、企業への貸付けを中心にサービスを展開しています。一方、アメリカや中国といった海外では、企業向け融資だけでなく個人向け融資も活発に行われています。
ソーシャルレンディングの募集取り扱いを行うのは金融商品取引業者
お金を不特定多数から集める行為は、誰もが自由にできるわけではありません。
詐欺や犯罪にもつながりやすいため、特別な登録を受けた事業者だけが、資金を集めることができます。この登録を受けた事業者のことを金融商品取引業者(以下、金商業者)と呼びます。
ソーシャルレンディングの募集取り扱いを行っている会社は、すべてこの金商業者に該当します。ホームページを見ると、必ず会社概要やフッターに金商業者としての登録番号が記載してあるはずです。
金商業者は、金融商品取引法(以下、金商法)という法律に則り、監督官庁のモニタリングを受けながら安全に事業を行っていかなければなりません。
お金を貸し出すのは貸金業者
一方、金商業者として登録したからといって、それだけで”お金を貸すこと”を事業として行えるわけではありません。
融資を事業として行っていくためには、別途、貸金業者としての登録が必要になります。適用される法律も、金商法ではなく貸金業法となります。
つまりソーシャルレンディングを事業として行うためには、原則、金商業者と貸金業者、両方の登録が必要になるのです。※2
実際のソーシャルレンディング事業者を見てみましょう。
業界のリーディングカンパニーである maneo を見てみると、金商業者であるmaneoマーケット株式会社がファンドの募集取り扱いを行い、貸金業者であるmaneo株式会社がファンドの運営(企業への貸付け)を行っていることがわかります。
一方、全案件不動産担保付きのファンドで人気の ラッキーバンク は、ラッキーバンク・インベストメント株式会社という会社が金商業と貸金業の両方を登録して運営しています。
同じソーシャルレンディング事業者であっても、一社で運営している場合と、金商業者と貸金業者を分社化して2社で運営している場合があるのです。
2つの法律にまたがって事業を行っていくのはなかなか大変そうですね。
※2 海外にある小会社に貸付けを行い、その小会社が現地の法律に則り融資を行う場合や、すでに他の貸金業者が貸付けた債権(利息を受け取る権利)を購入して販売する場合には、貸金業登録をせずにソーシャルレンディングの事業を行うことができます
投資家は借り手企業に直接お金を貸しているわけではない
“融資”は、原則貸したお金が全額返済されることが前提です。つまり借り手は貸し手に返済する義務を負います。一方、“投資”には返済義務がありません。万一、投資先の事業がうまくいかなくなってしまった場合には、資金が戻ってこない可能性もあります。
ソーシャルレンディングはレンディング(貸付)との名称から、投資家が借り手企業に資金を”貸している”仕組みであると勘違いしている方がいますが、それは誤りです。
あくまで個人はソーシャルレンディング事業者が運営するファンドに”投資”をしているだけで、”貸付け”をしているのはソーシャルレンディング事業者です。
もしファンドの運用がうまくいかない、事業者が倒産してしまった、そんな場合には、投資した資金が帰ってこない可能性もあります。その点をしっかりと理解した上で投資をするようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。ソーシャルレンディングの仕組みはちゃんと理解できましたか?
次回は「ソーシャルレンディングのメリット・デメリット」について学びましょう。
クラウドポート編集部
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(記事提供= クラウドポートニュース )
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