米Amazonが低所得者に対し、プライム会員サービスの利用料を割り引く制度を導入した。プライム会員の年会費は、一般会員なら月間10.99ドルだが、低所得者は5.99ドルと大幅に割引される。対象となる約430万人の低所得者は、政府の「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」によって、食料費が補助されるフードスタンプ(電子化されたEBTカード)を給付される。

プライム会員は、例えば無料配送やビデオの無制限ストリーミングなど多くのサービスが受けられる。Amazonを急追するウォルマート・ストアーズが、低所得層から年間約130億ドルも売り上げていることに対抗する狙いがあるという。

プライム会員はさまざまな特典享受

Amazon,格差
(写真=Hadrian / Shutterstock.com)

Amazonはこのサービスを有効なEBTカードを保有する低所得者に限定しているが、近い将来にはEBTカードを使わない補助的なプログラムにも適用を広げる計画である。

Amazonプライム会員が受けられるサービスの一部を紹介すると、▽無料の2時間・即日・翌日配達サービス(EBTカード保有者は翌日配達のみ)、▽ビデオ、映画、TV番組へのインスタントアクセス▽電子書籍・雑誌などをすべての機器で読めるサービス▽毎月ゲームコンテンツを無料提供、特別割引、無料ダウンロード可――などがある。

低所得コミュニティーの団体はAmazonの動きを歓迎している。全国都市同盟のマーク・モリアル会長兼CEOは「非常に多くの低所得家族が、輸送手段を欠き、ショッピングの選択もできないので、アマゾンの配送システムは特に歓迎である」と語ったという。

Amazonは今年初めから、パイロット・プログラムによってSNAP登録者にAmazon Fresh(生鮮食品配送サービス)や同様のオンラインストアを利用させていたが、結果は良好で、今回のEBTカードによるサービス登録が始まった。

低所得者向けサービス拡充の一環

プライム担当のグレッグ・グリーリー副社長は「プライム利用者は喜んでいる。何故ならば、数百万種の品物、ビデオや音楽への無制限の利用、迅速で便利な配送によって時間と金を節約できるからだ。このサービスをEBTカード保持者以外にも広げたい」と語っている。

Amazonはまた4月には、アマゾン・キャッシュ(Amazon Cash)プログラムを始めている。デビットカードやクレジットカードを持っていない人が対象。参加小売業者はバーコードを利用して、Amazon.comの口座残高に割引した現金を付加することで購入してもらう。その還元現金は後日、利用者のオンライン・アマゾン口座に送金されるという。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)