AI(人工知能)時代の家電、「スマートスピーカー」の市場が爆発的に膨らみそうだ。先行する米アマゾン・ドット・コム、グーグルに続いて、アップルも独自の音声認識機能を搭載した新製品「ホームポッド」を発表。急速に普及が進む北米を震源に、一大産業に成長する可能性が出てきた。年内にも参入するオンキヨー <6628> など、関連銘柄に注目したい。
スマートスピーカーは、2015年に米国で販売を開始したアマゾンの「エコー」や、昨年発売のグーグルの「グーグルホーム」が浸透しつつある。
エコーの出荷台数は昨年のクリスマス商戦時に前年同期比9倍に膨らみ、今年は1000万台を突破する見通しだ。
そもそもスマートスピーカーとは何か。一見すると円筒型のインテリア。既存のAV機器と同様にラジオや音楽を聴くこともできるが、大きな特徴は無線でインターネットと接続している点、そして、AIによってユーザーと機器とが対話できるところにある。
例えば、「きょうの天気は?」と声を掛けると、スピーカー側で音声を認識し、「午後3時から雨が降りそうです」などと返答する。料理レシピの検索やレストランのネット予約、気分に合った音楽のセレクトなど、さまざまな要望にAIが応じてくれる優れものだ。
アマゾン、グーグルに負けまいと、アップルもホームポッドを現地5日の世界開発者会議(WWDC)で発表。年末に米国や英国で投入する。米マイクロソフトやソフトバンクグループ <9984> 、LINE <3938> なども参入が観測され、百花繚乱(りょうらん)の様相を強めつつある。
日本メーカーでは、オンキヨーが飛躍を狙う。今年1月に米ラスベガスで開催された国際見本市で披露した「VC-FLX1」=写真=は、アマゾンの音声認識機能を搭載。正式な発売時期や市場は明らかにしていないが、まずは北米で今年後半の発売を想定しているもよう。
オンキヨーでは向こう3年間をメドに、スマートスピーカーをはじめとするAI、IoT(モノのインターネット)関連の次世代製品の展開に注力していく。米音声AIベンチャーのサウンドハウンドとも協業するなど、「相当の売上規模を目指す」(オンキヨーの広報担当者)といい、主要な収益源にしたい考えだ。
株価は100円台前半の低位で推移しているが、6日はアップルの発表が刺激になったとみられ、大きく値上がりする場面があった(終値は前日比4円安の123円)。出来高も増え、相場つきは一変しつつある。自社製品に加え、スピーカーの受託生産も商機となる。
このほか、音声を認識するための電子部品のマイクロフォンを手掛ける新日本無線 <6911> や、ホシデン <6804> なども関連銘柄となる可能性がある。また、スマートスピーカーは宅内に無線インターネットを走らせて使用する。将来的な日本市場の拡大も視野に、Wi-Fiのワイヤレスゲート(=ワイヤレスG、9419)も注目される。
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