ゆうちょ銀行 <7182> が総務省と金融庁に新規業務として申請している個人向け無担保融資について、政府の郵政民営化委員会は「実施に問題はない」との意見表明をする方針と報じられた。

民営化委員会は正式な意見書を近く提出する予定であり、金融庁と総務省の認可を待つ。口座の残高がゼロになっても、限度額までは代金引き落としや現金引き出しが可能となる「口座貸越サービス」を早ければ2019年春にも始める。

最大限度額50万円 口座貸越サービスを開始へ

郵政民営化,民業圧迫
(写真=PIXTA)

ゆうちょ銀は3月に個人向け無担保融資の認可申請を総務省と金融庁へ行っていた。総務省と金融庁は同申請について、「特段大きな問題はない」との見解を示しており、民営化委員会の意見表明を受けて、最終的な認可の調整に入る。

ゆうちょ銀は認可が下り次第、2019年春にも「口座貸越サービス」を始める計画である。同サービスは口座残高がゼロになっても、限度額までは代金引き落としや現金引き出しが行えるものであり、事前審査を行えば利用可能となる。限度額は最大50万円、融資金利は10%台前半で検討しているという。

低金利環境が続き、銀行の運用環境は悪化している。他の金融機関が金利の高い個人向けローンで収益を稼ぐ中、同行も10兆円ほどの市場規模がある個人向けローンへの参入に意欲を見せている。ゆうちょ銀では定期貯金を担保とした個人向け融資は行っているが、無担保融資は初の試みとなる。無担保融資には審査が不可欠となるが、同行はスルガ銀行系の保証会社へ審査業務や回収業務を委託する方針である。

新規業務参入は金融機関からの反発との戦い