韓国国土交通部の発表で、1月1日現在の地価が1年前と比べて、平均5.34%上昇していることが分かった。2016年の5.08%、2015年の4.63%を上回る上昇率で、2008年に11.6%の上昇率を記録して以降、最も高い数値。
上昇をけん引したのは、済州・釜山・世宗など開発材料が多い地域で、土地所有者の立場から資産価値の上昇は歓迎されるが、財産税や総合不動産税などの負担も増える見通しだ。
土地の価格が上昇している理由
2017年の個別公示地価統計によると、共同住宅(アパート)や一戸建て住宅と比べて、土地が高い上昇率を記録したという。マンションに相当するアパートの公示価格は対前年比で4.44%上昇、一戸建て住宅も4.39%と上昇率は土地を下回っている。
一般に、土地の公示価格はアパートと比べて変動は小さいが、活況時には上回る。不動産が高騰した2008年当時、土地の公示価格の上昇率が10%を超えたのに対し、アパートの上昇率は2.4%だった。翌2009年の金融危機で、アパートは4.61%下落したが土地は0.81%の下落にとどまっている。
2010年以降、アパートはマイナス4%からプラス4%の間で上下したが、土地は3%台前後で安定的に上昇。13年以降は上昇幅が拡大している。08年から17年まで、全国のアパートの公示価格は17.7%上昇し、土地の公示地価は50.2%上昇している。
需給に応じて変化するアパートなどの住宅価格に対して、供給量の増減がない土地は、本来は物価上昇に合わせて動く程度だが、年2~3%の物価上昇率を上回っている。
土地価格の上昇を牽引した世宗市は、13年から本格化した首都機能の地方分散で、多くの政府機関が移転した。ソウルや釜山など大都市圏では、再開発が進められている。国や自治体等が土地を買い取り、落札した事業者が数百世帯から数千世帯の住宅団地などを造成する。投機的な投資も多く、地価上昇の一因となっている。