投資用マンションを選ぶにあたって大切なことは何でしょうか?まず、当然ながら、「利回り」に目を向ける人が多いと思います。人が多く集まる立地で高い家賃が稼げれば、言うことなし?いいえ、実は、それだけでは充分とはいえないのです。投資物件購入の際には売却時のことを考える必要があります。将来売却を考えたときに高値で売却できるのか、また何年か賃貸で運用したあとも価値がどれくらい変わるのか検討しておいた方が良いのです。こうしたプランのことを出口戦略といいます。では、なぜ、購入前から出口戦略が必要なのでしょうか?今回はその理由を考えてみたいと思います。
購入前から出口戦略?
購入したときの状態のままでずっと運用できる物件はありません。どんな建物でも年数が経てば老朽化し価値が落ちるので、いつかは必ず大規模修繕や建て替えが必要になります。例えば、1棟ものの物件で「再建築不可」などの条件がついていると格安で購入できることがありますが、それは安くしないと売却がむずかしいからです。こういう物件は、ずっと賃貸で運用するつもりでいても、老朽化し収益が上がらなくなっても建て替えることはできませんし、売ることも困難です。そして、その時点で購入時のローンが残っていたら…。目も当てられないことに。
また、区分マンションの場合は、1棟ものの物件に比べ価値が落ちるのが早く運用期間が短くなるため、注意が必要です。区分マンションは5年から長くても10年の運用が一般的といわれています。しかしながら、この期間で売却となると、購入時のローンが残っている可能性が高くなるわけです。さらに、全く想定していない時期に売却が必要になることもあり得ます。そんなときでも物件の価値がキープされていれば、売却価格がローン残高を上回るでしょうから、とりあえずは安心できますね。このように、マンション投資では、いつでも高値で売れる物件を購入しておくことが大切なのです。
価値が落ちない物件とは
では、いつでも高値で売れる物件とは、どのようなものなのでしょう。それは、景気の変動があっても安定して価値が落ちにくい、次のような条件を備えた物件です。
・立地条件が良い物件…利便性が高く常に多くの人が集まるエリアやブランド力がある人気の街に立地している。
・管理状態が良い物件…家賃滞納がなく、賃貸借契約書やレントロールが揃っている。また、エントランスや共用部の手入れがゆきとどいている。
・メンテナンスが良い物件…修理の必要な箇所が放置されていない。適切な時期に配管や外壁などの大規模修繕が行われている。
・防犯対策がしっかりしている物件…女性が賃貸住宅を選ぶときに最も重要視しているのが防犯性。今後、単身女性の増加が続き、ファミリー向け物件でも女性が入居の決定権を持つケースが増えていることから、女性目線で選ばれる物件作りが重要。
・入居者ニーズにあった間取りや内装の物件…時代によって、ライフスタイルは変わるもの。多少古い物件でもその時代の入居者ニーズにあわせ、随時リフォームやリノベーションをしている。
こうした物件を、視点を変えて、入居者の立場から見るとどうでしょうか?賃貸物件としても、多くの人が入居したいと思う魅力的なものです。そんな人気物件は空き室率が低く高家賃も望めます。つまり、高く売れる物件とは、賃貸で運用するにあたっても利益率の良い物件ということになるのです。