昨年10月にプロ入りを果たした藤井聡太四段が羽生善治三冠に勝利を果たしたり、今年の春の紫綬褒章を佐藤康光九段が受賞するなど、注目が集まっている将棋界。17歳のプロ棋士の成長を描く映画『3月のライオン』もヒットを飛ばし、話題になっています。今回は、日本における将棋についてご紹介。古くから親しまれてきた将棋について詳しく見ていきましょう。
江戸時代には殿様も夢中に
日本で将棋が遊ばれ始めたのは、おそらく平安時代だろうと言われています。現在の将棋は9×9のマス目が描かれた将棋盤を使いますが、平安時代から室町時代にかけては8×8、13×13、17×17などさまざまなマス目の将棋盤で遊ばれていました。
江戸時代に入ると、将棋は囲碁と共に幕府から保護を受け、盛んに遊ばれるようになります。幕府は「将棋所(しょうぎどころ)」と呼ばれる役職を設け、将棋の実力で幕府から俸禄を受ける家元制を導入。名人たちは将軍の前で試合を行う「御城将棋」を行っていました。特に将棋を好んだとされる8代将軍吉宗が、年に1度御城将棋を行うと定めた11月17日は、日本将棋連盟によって「将棋の日」と定められているほど。
しかし、江戸幕府がなくなった明治時代には家元制が消滅。以降は終生就位だった名人位を実力による短期名人制に変更したり、将棋の普及発展と技術向上を図る「日本将棋連盟」を結成するなど、たくさんの改革を行い現在に至っています。