「仮想通貨」への注目度が高まっている。こうした中で、価格が高騰しているものがある。

それはパソコンのパーツだ。パソコンを買うときは完成品を選ぶのが一般的かもしれないが、バラバラに販売されているパーツを買い、組み立てて、自分好みの仕様にすることもできる。実は「仮想通貨」が思わぬパーツの高騰を呼んでいるというのだ。

「マイニングPC」に使われる部品が高騰中

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(写真=PIXTA)

最近高騰している部品は「グラフィックボード」または「グラフィックカード」と呼ばれるものであり、理由は「仮想通貨のマイニングに使う自作PCに組み込む」需要が一気に高まったためである。

自作PCは、パソコンの価格が高かった90年代中盤に人気となり、安価で性能の良いパソコンを手に入れる手段として用いられた。その後パソコンの価格が相対的に下がったあとでも、ゲームに使うために強力なスペックを持ったものや、静音化を追求したもの、とにかく安く作るものなど、様々な目的で作られている。

グラフィックボードはGPU(グラフィック描画用チップ)が搭載され、CPUの補助的な役割をしている。価格はピンからキリまであるが、今回の高騰は例えば15000円程度だったグラフィックボードが、25000円を軽く超えた上に入荷未定という状況となっている。

グラフィックボードの世界では、AMDが作る「Radeon」や、NVIDIAが作る「GeForce」の二つが大きな勢力となっているが、今回はRadeonに人気が集中している。グラフィックボードは描画性能に直結するため、例えばデイトレーダーなどが複数のディスプレイを使ってチャートなどを表示させる、といった用途にも使われている。

仮想通貨のマイニングとは?